秋の花 1
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溝蕎麦
牛の額(ひたい)。季語 秋。
湿地や林間の雑草に混じる。葉も花も蕎麦に似ている。赤いところは額だそうだ。
寺家ふるさと村にて。
たそがれの砦みぞ蕎麦明りかな
山たけし
ムーの伊吹嶺歳時記
藪豆
秋の花だが季語とはなっていない。
小さな花で見落としてしまいそうだが、よく見れば可愛い花である。これは、いのこずちに絡まって いた。
寺家ふるさと村にて。
灌木に藪豆揺るる秋ゆうべ
鶏頭
花季語 秋。
鶏頭の種採ることも綾子の忌
栗田やすし
ムーの伊吹嶺歳時記
稲
稲穂。季語 秋。
寺家ふるさと村にて。
唐
辛子
季語 秋。
からっとした秋空のもと、真っ赤な唐辛子は一抹の寂しさを感じさせる。 そんな唐辛子の葉に蝉の抜け殻がかじりついていた。
空蝉の縋るるままに唐辛子
黍
(きび)。季語 秋。
黍も粟と同様な運命を辿っている穀物だ。稲がこれほど改良される以前にあっては人間の主食で あった。残暑の真昼、揺れそうな黍の穂であるが、少しも揺れなかった。生田緑地民家園にて。
陰もなし全く揺れぬ黍の畑
粟
季語 秋。
本格的に栽培している農家は現在では少ないようだ。これは古民家を集めた生田緑地にある畑の もの。稔りで頭を下げていた。まもなく水車のお世話になるのだろう。
粟の穂や水車土塀の乾く罅
藪からし
貧乏葛。季語 秋。
畑や藪の縁に生える雑草。成長力が強く、覆い被さって木を枯らしてしまう。
孔子像の裾に茂れり藪枯らし
武藤光リ
ムーの伊吹嶺歳時記
蔓
穂(
つるぼ)、参内傘。花の歳時記では季語 秋。ユリ科。
近所の地主の墓場に群生していた。
老蝶の小さき蔓穂に翅休む
秋海棠
断腸花 季語 秋。
紅色の節が美しい。ベゴニアに似ているが、非常に東洋的な花だ。
描き遺す妻の裸婦像断腸花
上杉和雄
ムーの伊吹嶺歳時記
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