哲学堂

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しもふんでろくけんだいにまみえけり
   霜践んで六賢台に見えけり
 哲学堂は公園である。場所は西武新宿線の新井薬師駅と西武池袋線の東長崎との中間ぐらいの所だ。
 東洋大学を創設した井上円了が精神修養的公園として明治三十七年に四聖堂を建立したのが始め。 この門は哲理門また妖怪門とも呼ばれ、物質界から精神界への入り口を意味する。
 妖怪門入れば全き冬紅葉
 初霜の庭に蚯蚓の死累々
 枯萩や日向の猫の愛想なし

 六賢台の前に広場がある。不思議なことに霜の降りた後には太い蚯蚓の死骸だらけだ。日当たりのベンチ には瞑想顔の猫と汁を啜りながら少ない年金を嘆く人とが同居していた。
 六賢台も次の四聖堂、宇宙館もそれぞれ賢人を祀っている所で、広場を時空岡(じくうこう)と呼ぶ。
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