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伊豆下田・熱川(静岡県)





ぽつねんとペリーの像や大西日

2010年伊吹嶺10月号遠峰集収載句


伊豆下田

 熱川温泉で螢が見られると聞いて、昨年の辰野町の螢を思い出し、仲間8人で 出かけることにした。
 ところが熱川の蛍狩りは数日前に終わってしまったのである。数匹の螢でも見ようかとも思ったが、それよりは少し 足を伸ばし、横浜同様に昨年開港150年を迎えた、下田の町を見てみようと第1日目は熱川から伊豆急を利用して 下田へと向かった。
 伊豆急は東京でポイント故障があったとかで、数分の遅れが発生していたが、駅弁を待合室でぱくつき、列車を待った。
 下田は梅雨明けのように明るかった。
 お吉の墓のある「宝福寺」と記念館、龍馬の大きな一刀彫などを見学。下田奉行所が置かれていた「了仙寺」、下田の 花柳界跡の紫陽花と柳の綺麗な川を下り、ペリーの碑のある波止場へ。ここは下田城公園の下でもある。
 これより、海鼠壁の点在する古い家並みや土産屋を覗き込みつつ下田駅に向かった。


   鯵の鮨列車待つ間に頬張れり

   風涼し下田の駅に遠汽笛

   一刀彫の龍馬見あぐる炎天下

   彫り消えしお吉の墓の黴湿る

   愛用のお吉の切子紅濃かり



   代官所なりし寺とや小蟹来る

   甍炎ゆお吉の駕籠を吊す堂

   梅熟るる小枝に結ぶ恋みくじ



   南風吹く地震の爪痕残す寺
2010年伊吹嶺10月号遠峰集収載句

   蔦茂る弥生遺跡に竹矢来

   蕃茉莉(ばんまつり)下田条約了へし寺



   紫陽花や昔下田の花柳街

   ぶうげんびれあ覆ひし軒にラムネ旗

   夏の日を弾き酒屋の海鼠壁



   鰡群るる川の底まで夏日射
2010年伊吹嶺10月号遠峰集収載句

   黒船の現れし海原雲の峰
2010年伊吹嶺10月号遠峰集収載句

   船窓に西日煌めく船溜


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