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谷中その二
前回の下見を踏まえて、結社「伊吹嶺」の東京吟行会を谷中で開催した。
今回は日暮里駅南口から出発。天王寺から開始。元禄時代の作の丈六のお釈迦様にご挨拶。
丈六仏とは、お釈迦様の身の丈が一丈六尺(4m80くらいか)あったと言われることから、等身 大の仏像を言うそうだ。結跏趺坐のお姿の場合は、八,九尺となるようである。
剥げかけたところもある、銅像であるが大事にして残してもらいたいものだ。
本堂の横には大きなスダジイの木があり、大きな洞ができていた。
前回紹介の五重塔は、この寺のもので、このお釈迦様も当時は少し違う場所にあったようだが、 この大木をみると、歴史ある寺であり、鬱蒼とした森の中だったのかも知れない。
現在の天王寺の表の辻に地蔵堂がある。覗くと中に何本かの置き傘があった。辻辻に置き傘のある ような町が出来たら良いなあ〜、など思いつつ五重塔跡に行った。跡だけに、句友も困りつつも 真剣な顔で佳句を拾ったようである。
慶喜の墓など、谷中墓地を巡り彫塑館を見学して昼食を取った。
剥落の丈六仏や春の雲
2006伊吹嶺6月号「伊吹集」掲載句
椎の木に大き洞(うつ)ろや春うれひ
置傘の番する地蔵うららけし
春かなし慶喜の墓に鉄の柵
弁当の桃花を連衆褒めちぎる
のどけさや水かげろひの深庇
崩れそむ寺の築地や草萌ゆる
2006伊吹嶺6月号「伊吹集」掲載句
紅梅が天心旧居の蹟なるや
観音寺の土塀の崩れ跡には、前回に見られなかった小さな草が芽を出していた。これでは、どんどん傷んでしまうだろう。
前回はつまらないと思った天心堂は紅梅のお陰で天心を偲ぶことができた。
天心堂からは三崎坂を下り、女性陣お目当ての「いせ辰」「菊見せんべい」により、昔の藍染川を道にしたため、 曲がりくねっている、へび道を通って根津の句会場に入った。
最後に前回句を拾わせてもらった、「いせ辰」の賑わいを入れておく。
其の二 了
吟行日2006,3,5
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