夏 その九

写真の上でクリックすると画像が大きくなります。



丁子草。季語 夏。
落ち着いた雰囲気の花だ。鎌倉円覚寺松嶺院にて。
踊子草、踊草、虚無僧草。 季語 夏。
シソ科の花で半日陰に多い。実際は春から咲いている。似た花に春の姫踊子草があるが、季語とは なっていない。

上野行く汽車の煙や踊子草
金糸梅。 季語 夏。
梅雨の頃、未央柳に遅れて黄色い美しい花をつける。
花は金杯のようにも見え、来し方を考えてしまった。

 美酒酌みし日のありやなし金絲梅
茴香(ういきょう)の花。季語 夏。
高い芳香を持つ。越前大野の寺町で。
煙の木、霞の木、季語 夏。
ウルシ科。花後の花柄が糸状に長く伸びたものだそうだ。
これは、越前大野の寺町で見たが、以前鎌倉の寺でも見たことがある。何故か寺が好むようだ。
駒繋(こまつなぎ)、金剛草。 季語 夏。
マメ科の常緑小低木。馬がつなげるほど枝が丈夫という意味。

 揺れてゐし実盛塚の駒繋
片山津の実盛塚にて。
雪の下、鴫足草、虎耳草。すべて「ゆきのした」と読む。季語 夏
鴫の足や虎の耳に見えることから。
幕末の思想家、橋本左内の墓がある、福井市左内公園にて。

 鉄扉鎖す左内の墓に鴫足草
てっぴさすさないのはかにゆきのした
藺(い)、灯心草、藺の花。 季語 夏。 6月中旬、地味な花が付いていた。
神代水生植物園にて


昨夜(よべ)の雨藺草乱れて傾ぎけり
蛇苺。季語 初夏。
食べられそうだが、誰も摘まないところ見るとやはり食えないか。食用の苺より、むしろきれいな赤である。
深大寺にて。


 鮮血の雫一滴蛇いちご
菩提樹の花。季語 晩夏。
深大寺境内には「遠山に日の当りたる枯野かな」虚子の句碑がある。
この菩提樹は千葉、北小金の東漸寺のもの。2007年6月に差し替えた。

菩提樹の咲き初む苑に虚子の句碑
 次へ

 前へ

 秋へ

 冬へ

 新年、春へ

 写真と俳句トップへ