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上高地・高山・奥飛騨



高山本線の鉄橋



中央道

 待宵の9月18日、一泊ドライブで上高地、飛騨高山方面に行ってみた。
 上高地も奥飛騨や高山も何度か訪れてはいるが、俳句を始める前のこと。即物写生をモットーとする句会に所属する 以上は、現地主義が第一とボールペンと句帳とカメラを提げてマイカーに乗り込んだ。
 我が家からは16号線を使い、八王子インターから中央道に入る。
 三連休の初日でもあったが、すでに相当な渋滞となっていた。
 この方面に出るときはいつも談合坂のパーキングを使うのだが入る車がずいぶんと多く、大月ジャンクションを抜けた ところにある、初狩パーキングで休憩を取った。
 すでに12時になっていたが、松本で信州本場の新蕎麦を賞味すべく、食事は堪え秋の爽やかな空気を吸い込んで 出発した。
 中央道はこのあたりから、次の休憩地諏訪湖サービスエリアの間が最も気分の良いところだと思う。
 側面には薄がなびき、正面には八ヶ岳が見えてくる。本日も天候に恵まれ快調に車を走らせた。
 諏訪湖はちょっと涼しい風が吹き、秋のたたずまいの中にあった。
 のんびりと句を練りたい気持ちもあったが、予想時間を大幅に過ぎており先を急いだ。ここより長野道に入り松本 インターで下り、野麦街道と云われる国道158号線に入る。
 道沿いの古風なたたずまいの蕎麦屋に入った。予想に違わず美味しい蕎麦であり、内装も古い囲炉裏や火棚や自在鉤 など目も楽しませてもらえた。
 158号線をさらに進み、マイカー規制のため沢渡(さわんど)でマイカーを預け、シャトルバスで上高地に入った。

   連山の狭間に富士や秋桜

   道行けば銀の穂薄揺れやまず

   秋風や諏訪のみづうみ藍深む
05年「伊吹嶺」伊吹集12月号収載

   秋冷や蕎麦屋の黒き自在鉤


上高地

 真夏よりは少しは空いたのであろうか?上高地の人気は高いようで、まだまだ大勢の観光客で賑わっていた。
 大正池散策はまたの機会にして、今回は河童橋周辺を見るに止め、山の釣瓶落としの日に急かされるように、帰りの シャトルバスに乗った。
 それでも4,50分の間に穂高は晴天から、夕霧の穂高へと変化。梓川の細波もひかり放つと思えばどんよりとした太い流れ に変化したり深山の美しい自然を堪能することができた。
 紅葉盛んな上高地にはほど遠かったが、ななかまどの実はすでに赤く、白樺の枝先は黄色の絵の具を置き始めていた。
写真上 奥穂高とななかまど。
写真右 河童橋から穂高を望む。
写真左 梓川から焼岳方面を望む。
写真下 赤く色づいたナナカマドの実
   白樺の枝先ほのと黄葉せり

   暮るるほどななかまどの実赤きかな

   薄紅葉揺れ僅かなる河童橋

   梓川音爽やかに暮れそむる

05年「伊吹嶺」伊吹集12月号収載
   山襞は大き紫赤とんぼう
 一旦沢渡に戻り、宿泊地の飛騨一宮に向かった。
 以前金沢在住時代に来たときには無かった安房トンネルは快適なトンネルであった。
 途中平湯温泉の露天風呂を楽しむ予定であったが、これも次回持ち越しとなった。



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