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 秋寂ぶや雲か煙か浅間山

 藁塚の影の長さや佐久平

美ヶ原山荘

 三時頃軽井沢を後にして雄大な浅間嶺を望みながら佐久平を小諸を抜けて美ヶ原のふじさわ山荘へ向かった。 佐久の町並みも休業の飲食店や売屋が多く、街道に売屋の札や棉の桃と詠まざるを得なかったのは 残念である。
 ふじさわ山荘は藤沢市の句友がいつも取ってくれる宿で、句会も出来るので毎年利用している。翌朝は 樺の黄葉など見事な紅葉山を散歩して歩く。まむし草の実や鵯上戸の実、櫨などが綺麗であった。
 松本城を通り、長野自動車道で姥捨から松川渓谷へと向かった。

暮れ初むる刈田遠近煙たつ

夕山の峰の幾重や蕎麦の花


 朝の日を鵯上戸欲しいまま

 朝霧や沢音高き山の宿

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