駒場公園

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  旧前田侯爵邸洋館
旧前田侯爵邸バルコニー 

旧前田侯爵邸

 駒場公園は、加賀百万石の当主であった、旧前田家の前田利為候爵の邸宅跡である。
 広大な(40396.47u)敷地の中に、「ロミオとジュリエット」の舞台になりそうな 洋館と時代劇映画の城主の座敷や庭の風情を持った和館と広い散策路そして同敷地内に付設された 日本近代文学館からなっている。
まるき背の翁の拾ふ銀杏の実 (2003,11)  洋館は昭和4年、和館は昭和5年に完成したそうで、当時の粋が凝らされている。
 洋館の正面玄関の車寄せは広く、バルコニー正面の芝庭園はどんなに大勢の園遊会でもこなせそうだ。
 左の写真は勝手口だと思われる。大きな銀杏の木は雌株で老人が1人懸命にぎんなんを 集めていた。
 前田侯爵の戦死後人手に渡ったそうであるが、戦後は米軍に接収されマッカーサー解任後のGHQ 司令長官であった、リッジウエー中将が使用していたそうである。
 昭和32年に接収解除となり、民間から国が買い取り、昭和42年から都の公園となり、 50年から目黒区に移管されたものである。
 洋館の中には入れてもらえなかったが、中での晩餐会やダンスパーティ など、当時は如何ばかりであったろうか。
 右は洋館の奥庭。ちょっとしか覗けないが、綺麗な紅葉であった。  洋館バルコニー前面の芝生広場の奥は桜などを配した林間の小径となっていた。
 途轍もなく大きな石灯籠などもあり、明治から昭和に掛けての貴族は、日本古来の文化を 守ることと同時に西欧の貴族にも引けを取らぬ生活ぶりだったことが判る。
 下の写真はガーゴイルだ。日本の個人の洋館では大変珍しいのではなかろうか?
垣間見る洋館の庭大紅葉 (2003,11)
冬ざれや旧き館のガーゴイル 館の主の変遷をずーと見守ってきたガーゴイルに館での出来事を語って貰いたい気もするし、 激動の昭和をバルコニーの片隅から眺めてきたガーゴイルに一抹の同情みたいなものを感じたのであった。
 なお、洋館内部は、土、日、祝祭日は開かれるそうである。西洋建築にも興味のある方は若干混雑は あるかも知れぬが、その日に行ってもらいたい。
 もう一つの見所が和館である。渡り廊下で洋館と繋がってはいるが別個の建物でありる。
 前田侯爵は普段洋館に住んでおり、主として外人客のもてなしに、この日本間を使用したとの ことであるが、欄間の透かし彫りなどの細工も素晴らしい。
 また、広縁から見る庭も美しいが、少し奥に引っ込んで座敷から眺めると実に落ち着きがあり 綺麗だと感じた。
 この日はちょうど雪吊りの最中であった。
 十畳の和室は句会などに3時間1600円で借りられるそうだ。利用してみたい処である。
 また、最初に書いたように同敷地内に日本近代文学館が併設され手織り、近代文学の資料が 文献中心に収集、保存されているそうだ。

紅楓や縁に聞こゆる水の音 (2003,11) 駒場野公園の秋

 この近くには、今回寄りはしなかったが日本民芸館もあるようだ。
 井の頭線の駅前踏切を渡ると、写真右上の駒場野公園に出る。少し武蔵野の面影を残した自然林間に近い公園である。
 公園入口には狭い田圃があり、旧帝大農学部の実験場だったようだ。私はあまり読まなかったので、 興味のある方は現地にレリーフがあったので読んで欲しい。
 なお、田圃は現存している。当然刈田となってはいたが。

余り縄風に吹かせて雪吊師  光晴
伊吹嶺3月号「伊吹集」収載句。


交通案内

  井の頭線「駒場東大前」下車西口より12分
  小田急線「東北沢」下車13分

  目黒区のホームページhttp://www.city.meguro.tokyo.jp/

最終吟行日2003,11,28





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