寒川神社と初春の吾妻山公園

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  日を返す湾になだるる菜花かな(2004,01)
日を返す湾になだるる菜花かな 

寒川神社

 近頃は体力勝負となるような大晦日から元旦に掛けての初詣や初日の出を見に行く事は、 とんとしなくなったが、やはり正月になるといかなる宗教おも信仰しなくともく、どこか行ってみたくなる。
 2004年は寒川神社にした。
 前回の訪問を調べたら、2001年5月に参詣して以来であった。社や神門などは新しく、 歴史的な遺物はないように思われる神社であるが、参道や境内の木々は古木大木で相当なものである。
 聖域は何処であれ、心洗われる気持ちとなり気分転換には何よりの所だ。
 この前の参詣のときの句に次ぎの2句があった。

 玉砂利の鳴りし参道風薫る

 狛犬の背ナに触れをり若楓 (2001,05)

 この神社の正式名称は、相模国一之宮寒川神社である。「続日本後記」に846年当時の 記録があるそうで、それ以前から1500年余りの歴史があるようだ。
神門に悟空の張りぼて初参り  この神様大変理解の深い神様で、どんな災難も除けてくださるそうで、八方除けの神様との ことである。
 すなわち、地相、家相、方位、日柄、厄年などに由来する全ての禍事災難を取り除き、家業繁栄・ 福徳円満な日々をもたらしてくれるそうだ。
 ふだん何もない日ならば駐車場は十分なのだが、初詣などお祭り時は車利用は良く考えた方が良い。
 無料駐車場は第4駐車場まであるが、そこに到達するまでに、そこら中で声を掛ける 私設駐車場があり、遠い上に1000円取られることになる。それこそ八方除けの神社のお賽銭に した方が為になりそうだ。
たこ焼きの匂ひに押され初詣 (2004,01)   またこの辺、寒川蕎麦と名打った店や八福餅というお土産を売る土産屋などが数軒在るが、 特に美味しいと感じる店はない。大山とそれほど離れていないのに手打ち蕎麦の美味しいところが ないのは誠に残念である。
 普段の日に行くならば、有名な門前町に行くつもりにはならぬ方が良いだろう。
 今回は松の内であったので、長い参道に沢山の屋台が並び、たこ焼きの匂いが盛んに腹の虫に 働きかけてきた。
 社務所では、宮人(みやびと)や祝女(はふりめ)が縁起物の破魔矢やお神籤を求める善男善女 の群れを大わらわで捌いていた。
 私は昨年の秋、大山阿夫利神社で御札や御守りを受けて来ているので、寒川神社では、お賽銭を 出すに止め、混雑を見ていた。

  破魔矢売る巫女は二の腕曝しけり  (2004,01)
伊吹嶺4月号「伊吹集」収載句。


吾妻山公園

菜の花や大富士白く輝けり (2004,01)  吾妻山公園は東海道本線二宮駅のすぐ近くにある。
 寒川神社は東海道線茅ヶ崎からさらに相模線に乗り換え、14分程乗った、宮山駅下車であるから、 本当は一所に書くべきではないかも知れない。
 今回は本年の初ドライブで車利用のため、さらには初日の出スポットとしても紹介しておきたく、 同一項とした。
 なお、ここは自動車では行くべきでない。専用駐車場は公園入口から大変離れている。JR二宮 駅から5分も歩けば公園入口であるし、駅前で飲食物の用意もしておかないと中には何もない からである。
 吾妻山公園は、標高136.2m の小さな山である。しかし、展望台は360度見渡せるうえに、 その景色は絶景である。東から南は雄大な相模湾を見下ろし、刻々と変わる潮色を楽しめる。
 西から北に目をやれば、小田原、厚木、藤沢などの繁華街の霞の上に箱根や大山を主峰とする 丹沢連山が間近である。
見晴るかす連山青し冬木の芽 (2004,01)  そしてその上に、真っ白く大きな富士の山が輝いている。
 早起きして一番電車で来れば初日の出と赤富士を拝むことが可能なポイントなのだ。
 途中には日本武尊東征伝説にちなむ古社である、吾妻神社もあるから初詣もできる三拍子 揃った場所である。
 さらに花もなかなかである。1〜2月は菜の花、水仙それにただ1本しか見あたらなかったが、 蝋梅も咲いていた。この香りがまた素晴らしく、入口から20分ほどの急な登り道に気分を 癒してくれる。菜の花畑は広く、水仙もあちこちに群生しており、ともに見応え十分である。
 2月の梅、3〜4月のユキヤナギ、桜、5月のツツジ、6月の紫陽花、夏のカンナ、秋のコスモス と続くそうだ。  

   日のゆたか開けし海に菜の花に
伊吹嶺4月号HP投句作品抄収載。


   蝋梅や弱日に溶けて香りたり   (2004,01)

最終吟行日2004,01,12





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