京成バラ園

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バラ園の五月の風に吹かれをり 


 前項の「葛飾八幡宮」で参詣の後、まだ時間もあったので、谷津のバラ園に寄ることにした。
 ところが教えて頂いた方の勘違いで、千葉県の八千代市にある京成バラ園に来てしまった。
 幸いなことに、このバラ園も薔薇やその他の花もみな素晴らしく香と色彩に圧倒される思いであった。
 ありとあらゆる薔薇があり、始めて知ったことであるが、1867年に作出された、「ラフランス」なる品種以降に 改良されたものを「モダンローズ」、それ以前を「オールドローズ」と呼ぶのだそうである。

  梅雨晴間バラのアーチを潜りぬく
左の写真はバラの近縁種のハマナスである。その他バラ以外の花壇の片隅には ワルナスビと言うバラ科の雑草まであった。
 それぞれのバラには、いろいろな名前が付いている。ダリア園のダリアのネーミングは大変面白く感じられたが、バラは 王室や貴族に愛でられたせいか、ロイヤルとかプリンセスなどの名前がおおいように思えた。
 このホームページのトップ写真のポンテデリアは、このバラ園の最深部にある池の畔で撮ったものである。
 ホテイアオイの一種だそうだ。傾いた日の逆光を浴びて、日本画のような静寂の美しさがあった。
 薔薇は大庭園に広く植えられるほど見応えがする。これで、もし棘がなければどんなに良かろうと思う。
 棘があるから、よけいに美しく感じるのかも知れぬが?

 薔薇色の薔薇や王妃の恋の色

 夏の蝶香の坩堝の底に舞ふ

 このバラ園は手前が洋風のバラガーデンに奥が池や小流れを配した日本庭園風に作られており、十分に楽しめた。
良くを言えば、雑草も蛍袋など綺麗な花が多いので、これらにも名札が付いていれば私には助かったのであるが。

 押し寄せ来深紅の薔薇の押し寄せ来
 薔薇の香や日傘出でたり沈みたり



バラ園を借りたる大きジギタリス

午後五時の空に黄色き薔薇の花


 夕日に透ける黄色の薔薇はこの時間でなければ見られない色だと思った。下の写真より数倍は美しかった。句のほうが その素晴らしさを伝えられるはずだが、こんな句となった。
 また、ジギタリスは園の隅にのびのびと大きく花を付けていた。

 ジギタリスは「狐の手袋」とも言われる。
 左は「ブラキカム」と書かれていた。葉から見るとコスモスの仲間と思われるがきれいなブルーであった。
 五月(さつき)の夕風に身を委ね、バラの香のソフトクリームを舐めながらテラスから園に別れを告げた。

最終吟行日2005,06,14





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