東京港野鳥公園

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いちじんのかぜやみしときぎょうぎょうし

一陣の風止みしとき行行子 


 5月も末に近い土曜日、東京港野鳥公園に吟行に出かけた。
 幸い好天に恵まれ楽しい一日を過ごせた。
 この野鳥公園は大森駅から15分ほどバスに乗った東京湾の埋め立て地の中にある。と言っても現在は街中であり、 大田市場にも隣接している。羽田も近いので大型ジェットが頻繁に低空で舞い降りてくる地にあるが、 野鳥たちはさほど気にするふうでもないようだ。
ていくうのジェットきたいざんぼくのえに  周りの森や海が音を吸収してくれるのか、大きな機影ほどにはその騒音も気にならなかった。
 管理事務所の会議室を句会場にお借りできたので、ご挨拶を済ませた後、句を拾うべく散会した。
   公園はいそしぎ橋が二つのエリアを結ぶような形となっている。
 まずはその、いそしぎ橋を渡って潮入りの池を目指した。

 低空のジェット機泰山木の上に
 どうも花のページを作っているせいか植物が気になっていたしかたない。左の写真はたぶん大島桜かと思うが、 さくらんぼがいっぱい出来ていた。
 他にはイイギリが花が終わって茶色の長い房を下げていた。秋にはこれが赤い小さなシャンデリアのように、沢山 ぶら下がるはずだ。

 遠めがね五月の鴫に風来たる
とおめがねさつきのしぎにかぜきたる  潮入りの池はちょうど引き潮であった。
 望遠鏡を貸してくれたり、レンジャーの野鳥に関するガイドなどしてくれる、ネイチャーセンターがあった。
 ふだん鴨と鷺それに川鵜ぐらいしか見ることがないが、ここではずいぶんと見せてもらえた。小鰺刺はホバリングから 落ちる爆弾のごとく海に潜った。
 多くのキアシシギの他に、嘴の反り返ったアオアシシギも教えられて覗けた。有意義な場所である。
 動きを写真に収めようとすれば望遠で何日もチャンスを狙う必要があろう。私には止まって動かない川鵜の集団しか取れなっかった。

 芦原に綺麗な花が見えた。花の名がなかなか判らず苦労したが、抱き葉アレチハナガサと言う、南米産の帰化植物で あった。水辺を好む花のようである。
 トップの写真は東淡水池のもので、よしきりが鳴いていた。
  鰺刺の落下すごとに潜きけり

 引潮の瀬に光たり鯊の影

 蟹歩く引き潮の浜穴無数

 野鳥見の小屋に響ける牛蛙


 右の写真は何だと思いますか?
 茎は4,50センチありました。路傍に生えるオオバコの仲間でヘラオオバコと言う、これも帰化植物です。原産地 はヨーロッパで江戸時代に日本に入ったそうである。
 入口まで戻り、自然生態園に入ると田圃や畑、田水を取る小川など農家の裏庭に迷い込んだような場所に出る。
 小さな水車も小川に掛かっている。奥に行くと西淡水池があり、鴨や牛蛙の鳴き声を見たり聞いたりできた。 こちらの方は水鳥より四十雀などの小鳥が多いようであった。
 ゆすらうめや桑の実などもなっており、子供の頃、とんぼを追い回していた頃が懐かしく思い出された。
 野鳥に興味の無い方でも十分に堪能出来る上レンジャーなどの説明で興味が増すことも間違いない。まだ訪問されて ない方は是非訪問して欲しい。
 楽しい一日を大森駅前の焼鳥屋で締めくくった。

 鳥を見る横長窓の小屋涼し

 田水引く小川に小さき水車(みずぐるま)



最終吟行日2005,05,28





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