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美ヶ原高原(長野県)

まきうしのかげうごかざりおおはなの

牧牛の影動かざり大花野

霧ヶ峰高原と美ヶ原


 おわら風の盆のツアーは藤沢市の主催である。市の箱物、美ヶ原にある、ふじさわ山荘の稼働率 アップのために企画された物であるため、ここに1泊せざろうえない訳である。
 高原の秋は早いし、どんなものかと心配しつつ訪れたのだが、天気も良く素晴らしい空気を吸わせて もらった。
 藤沢を8時に出発。相模湖ICから中央道に入り諏訪で昼食、霧ヶ峰、美ヶ原とそれほどの渋滞に 巻き込まれることもなく、ふじさわ山荘に到着できた。
 諏訪の道の駅ではトイレで置き忘れの財布を拾った。5万円ぐらいの金と免許証が入っていた。
 ガイドさんが忘れたらまず戻らないとの注意を聞いたばかりだ。店員に店内放送をかけて貰い、 落とし主のお兄ちゃんに返すことが出来た。自分も忘れっぽくなっているので、注意せねばならない。

 高原の写真はなかなか感じが出しづらい。俳句も作りがたいものがある。実物の美しさに負けてしまう のだろうか。
 撮った写真のほんの一部と、高原の草花のうち名前が判るものだけ紹介する。
 なお、松虫草クサフジ花碇梅鉢草は、花のアラカルトに載せた。
 上の写真は霧ヶ峰高原の霧鐘堂。霧の深いときに鳴らして方角を教えるものだそうだ。本日は 抜けるような青空の中にあった。
 右は花野である。今頃は派手さはないが、吾亦紅、秋の麒麟草、山母子を中心に沢山の花が咲いて おり、下ばかり見て歩き、人に言われるまで牧場の牛も目に入らなかったほどだ。
これは吾亦紅を入れんが為で、紹介する以上の花が咲く大花野である。
 俳句はバスの車窓の景などもある。
野原薊、秋薊

   終焉の武田の地とや雲の峰

   甲斐駒ヶ岳の空底なしや芒の穂

   夕顔の実が人寄せや道の駅

ハクサンフウロ


   とんばうの翅光たる空青し


   県境の高速道にいわし雲

ヤナギラン



   高原の音無き空や八月尽


   吾亦紅牧場に雲の影迅やし

秋の麒麟草。
この花は結構多かった。
釣鐘人参。
盛りは過ぎたようだった。

ヤマハハコ




   まだ青き山葡萄なり夕日差す


   青栗に雨しとどなる山の宿

伊吹嶺2006,12月号伊吹集収載句

美ヶ原の美しの塔。これも霧の場合の鐘である。

 夜は夕食後入浴を済ませてから、句会を開いた。
 遅くまで楽しく検討会を開いて有意義な晩であった。しかし朝起きると雨が降っている。本番の 「風の盆」は見ることが出来るか、心配しつつバスに乗り込んだ。
 まず飛騨高山に出て市内見物、その後に夕刻より「風の盆」。幸いなことに、高山はすっかり 晴れており安心したのであった。
 今回の旅では、高山の他、金沢兼六園、福井の永平寺にも行った。
 実に欲張りな企画で驚いたが、それなりに楽しませてもらい、句も各地でずいぶんと拾わせて 頂いた。
 高山、金沢、福井は以前の徘徊紀行があるのでそちらに追加記入をしたいと考えている。
 
[了]
吟行2006,8,31

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