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波の伊八の欄間を残す寺

飯縄寺 

新樹寺烏天狗の青き面

19年伊吹嶺誌9月号遠峰集
いすみ市岬町




室町期様式の仁王門
 俳句「伊吹嶺」の栗田顧問を迎え、関東支部の有志も集い、上総一宮を吟行した。詠みたい物は点在しているため、波の 伊八の全盛期の彫物が残る二寺と太平洋戦争の風船爆弾遺跡。五輪サーフィン会場予定地そして芥川龍之介逗留の間などを 見て頂いた。翌日は御宿に足を伸ばして、最明寺と月の沙漠を吟行した。
 飯縄寺では、堂内正面の伊八の欄間「天狗と牛若丸」、仁王門、鐘楼や水屋、芭蕉の蛙句碑を見学。住職の講話中も夏鶯 の美声が続き、良い時間が持てた。
僧の説く色即是空ほととぎす
19年伊吹嶺誌8月号遠峰集

青嵐や義経寄りしてふ古刹

青嵐や蛙句碑立つ法の池
19年伊吹嶺誌9月号遠峰集

花鳥風月の彫物のある鐘楼

風船爆弾発射の跡地
 閑話休題。第二次世界大戦末期、米国に風船爆弾を発射した場所の一つが上総一宮の海岸であった。現在は津波除けの小 高い丘の一画で、夏草に覆われているだけであるが、江戸時代は、幕府の砲台が築かれていた台場の跡でもあり、二本の石 碑が立っている。静かな田舎町にも意外な歴史があったのだ。
 あってはならない戦争の痕跡であるが、来年は平和の象徴のオリンピックで、この一宮はサーフィンの会場に決まってい る。現在鋭意整備中であるが、世界から多くの人が来て、穏やかな海を楽しんで欲しいものだ。
夏草や風船爆弾飛ばせし地
19年伊吹嶺誌8月号遠峰集
浜昼顔五輪を開くてふ渚

卯波立つ渚真白き九十九里

サーファー
吟行日2019年5月22日
      
            この項了


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