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初秋の長良逍遙(岐阜県)





山頂に岐阜城小さし秋の空



伊吹嶺全国大会

 10月5日私が所属する俳句結社「伊吹嶺」の全国大会が岐阜グランドホテルで開催された。
 私も入会以来、ずっと参加させて頂いているが、年々参加人員も増加して、今年は200名を越える盛況であった。
 例年は大会後に1泊して句友と吟行して帰っていたが、今回は前泊で稲葉城の近くを案内してもらった。
 芭蕉が1ヶ月も逗留した妙照寺、木材の骨格以外はすべて竹と紙で作られた籠大仏がある正法寺、岐阜城落城の際の 血糊の付いた床板を天井に張った織田家菩提所の崇福寺など、いわゆる観光名所とはひと味違う吟行地に案内して頂き 有意義な旅を楽しむことが出来た。

妙照寺



   大蜘蛛の巣を張る寺や秋うらら

   蕉翁の宿りせし寺草紅葉

   秋乾く寺門に走る太き罅

 
 妙照寺はきれいに掃除も行き届いていたが、大きな蜘蛛の巣はいたるところに張っていた。この和尚は自分で偏屈だと 言っていたが、蜘蛛を払うことはしないのだろう。今日は機嫌がよいから、芭蕉の逗留していた部屋をお見せしようと 案内してくれた上に芭蕉に纏わる寺の話をしてくれたのであった。
   やどりせむあかざの杖となるひまで    芭蕉
の句碑が庭にあり、その原本が部屋に掛け軸となっていた。側にはあかざの杖が置いてある。
 もちろん庭にもあかざは植えられていた。

正法寺

 先ほども記したように、ここの籠大仏は粘土を表面に塗り経文を貼り付けた上で漆を塗って仕上げた物で完成まで38年 を要したそうだ。高さは13,7bある。
 今回歩いている道順は芭蕉の道吟行コースと名打たれているそうだ。この後岐阜公園、長良川河畔、鵜匠の里、川原町 と吟行したがこれに金華山頂上の城まで行けば全行程となるそうだ。良いコースを設定したと思う。
 正法寺の大仏殿は大きな金網に囲まれていた。工事中かと思ったら、どうやら鳩や鴉の鳥除けであるらしい。
 また近くの道三縁の常在寺は400年の歴史ある建物だそうだが、修復中なのか鋸の音がしていた。時間もあまりない ので、道三の供養塔だけ拝み、秋蝶と共に次に向かった。


   秋暑し鳩除け網の囲む堂

   大仏は籠作りとや天高し

   秋の蝶道三の寺寄らずゆく



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