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白川郷

 360号線はとても国道とは言えぬような道であった。トンネルは狭く、片側通行となる場所も多い。
 さらに天生峠(あもうとうげ)は九十九(つくも)折れであり、カーブミラーはあってもまともに見える状態のものは少なかった。
 対向車は結構多い。緊張の連続で、峠にたどり着いたときは、空の広さがたまらなくうれしかった。
 しかし、秘境白川郷に入るにはお似合いのルートではなかろうか。運転に自信のある方にはお勧めの道だ。
 白川郷は昼時ではあったが、むちゃくちゃに混んでいた。山深き秘境の感は少しもない。駐車場も食事処もいっぱいで 難儀をした。
 どうにか駐車場付きの食事処に入れ、白川郷の端じっこを見学。そうそうに引き上げざろう得なかった。
 合掌造りは殆どが民宿や食事処となっている。一泊して早朝とか夕遅くに歩けば違った景色も見られるのだろうが、 世界遺産になったために昔来たときのあの暖かい懐かしさのようなものがどうしても感じられず残念であった。

   杉山へ向かふ鉄橋秋涼し

   せせらぎの明るき里や秋桜

   不揃ひの小さき稔り田風寄せり

   産土神(うぶすな)の大杉黒し豊の秋    

 白川八幡神社は昔の村の外れの高台にある。この神社は周囲48村の産土神であり、どぶろく祭でも有名なんだそうだ。
 この境内に立って遠方の合掌造りの家並みを見ている(裏手の杉木立の中から見下ろせる)と、小学唱歌の「村祭り」 が聞こえる錯覚に陥った。
 帰路は御母衣湖(みぼろこ)沿いに車をすすめ、荘川インターから東海北陸自動車道には入り、東海環状自動車道、 東名自動車道と抜けて走った。
 順調に走っていたのだが、御殿場を抜けた辺りから事故渋滞に巻き込まれ、ここから3時間くらい掛かってしまった。
 お陰で今年のお月見はなんと東名高速の上であった。

   名月も照らしてをりぬ事故渋滞 


白川郷の合掌家

上高地・高山・奥飛騨  完
(2005,09)


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