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川崎大師



ぞろぞろとのろのろと行く恵方かな

仲見世

 川崎からの大師線はほぼ満員。
 終点まではまだ幾つも駅があるのに、4、5人を残して川崎大師前駅で皆降りて仕舞った。
 川崎大師は平間寺(へいげんじ)と言うのが正式名称だそうだ。空海の弘法大師がご本尊である。
 以前に参拝したのは30年ほども前、やはり新年に勤め先の御札を頂戴に来たときだ。
 仲見世は相変わらずの賑わいで、晒し飴を切る包丁の音が寒の空に響いていた。
 当時と違って驚いたのは、人間が両手で大きく引っ張って晒していた飴を今は大きなアームのロボットが懸命に飴を 晒していた。

   仲見世の飴切る音や寒の晴
2007年5月号伊吹嶺「伊吹集」収載

   冬うららロボットが飴晒しをり

   初買はロボット造るさらし飴

   約定の札の大きや福だるま

川崎大師

 立派な山門には、まだ太い注連飾りが張られており、正月気分を高めていた。
 浄めの水で手と口を浄め、香煙を浴びて本堂をお参りする。
 御札や御守りを買う場所も長蛇の列であった。
 祈祷所の前で調べると厄年は60才までしかない。ここからは余録の命のようだ。当然私もそれに当てはまるのでは あるが、護摩木を買って家内安全を祈って貰うことにした。

   山門の巨大年縄日を返す

   産土の寒九の水に口濯ぐ
ジパング倶楽部5月大久保白村選入選
   弘法のおはす御堂や春隣

   太子堂の緑青著し冬木の芽


   淑気満つ護摩木に氏名墨書して

 平成16年に完成したという経蔵を拝観した。これで戦災などで失われていた七堂伽藍が復活したのだそうだ。
 聖徳太子堂をお参りする頃には一段と参拝者も増え、仲見世は一方通行となっていた。
 我々はこの後、駅前の会場で初句会を催し、新年会でお互いの今年の躍進を祈念して乾杯。
 ほとんど人のいなくなった駅を帰路に着いた。
[了]
吟行2007,1,13

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