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初秋の三宝寺池(練馬区)



秋雨の水輪囲めり浮見堂



 この所のゲリラ豪雨で吟行も諦めねばならぬかと思ったが、曇天の空を見上げつつ家を出た。
 三宝寺池は朝までの豪雨にあふれ出すところもあったが、秋の強い日差しも差したり小雨も降るなど、変化してくれて 楽しむことが出来た。
 当池は貴重な植物群落があるとのことで、昭和10年に天然記念物と指定された。名前は隣の真言宗智山派の寺院に 由来する。室町時代の建立とか。
 また、当地はそれ以前に太田道灌に滅ぼされた豊島氏の居城、石神井城の城址でもあり、土塁跡なども雑木林 の中に残っている。
 城主の父の討死を嘆き、この池に入水したとされる照姫を祀る姫塚もあるが、この人物は豊島氏の菩提寺にも位牌や石塔 があるようだし道灌に山吹の歌を詠んだ姫だとも言われ、よく解らない。
 三宝寺六世住職照日上人の墓との説もあるようであった。供え酒は誰と思ってか。

ノカンゾウ、キンミズヒキ、露草などの花野

   出水池水面に映す空碧し

   隠沼や木々に絡みし仙人草

   さくら蓼水漬く木道転け易し



   走り根の持たぐ姫塚秋曇

   秋風や姫塚にある供へ酒

   新秋の園に集へり犬自慢

烏瓜に似た雀瓜の花と実

   朽竹に雀瓜の実未だ青し

   城跡に土塁の暗み法師蝉

   木道に音たて降れり櫟の実

厳島神社だそうだ

   秋霖や水輪広ごる法の池

   秋黴雨高床式の水神社

   城跡を埋め尽くせり花茗荷



[了]
吟行2008,8,30

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