太宰の金木と五所川原
翌日はまた弘南鉄道で弘前に戻り、JRで五所川原へ。五所川原から津軽鉄道で斜陽館のある金木を吟行
する。時間の都合で有名なストーブ列車は諦めていたが、折り返しの、その列車が遅れて到着したため、
この列車の利用が可能となった。25分間のストーブ列車の旅を楽しんだ。
壮大な斜陽館に太宰を偲び､津軽じょんがらも再度見学。五所川原に戻ってから､発祥地の立佞武多という
大きな佞武多を見て､約１時間半かけて五能線で深浦へ向かった。すでに闇に包まれた中をホテルの車で
宿に向かった。
瞽女かとも松に垂たるる雪の陰
飴色に光る板の間炉火明かり
ストーブにするめの焦ぐる津軽線
冷たさや階段多き斜陽館
斜陽館の薄き玻璃戸や虎落笛
触れもする二重廻しの羅紗重し
斜陽館の土間に差し込む雪明り
金融業手懸けし間とや底冷えす
雪明り太宰生まれし部屋に差す
冬深む倉にぎよろ目の立佞武多
太鼓打つねぷたの館冬ぬくし
佞武多館出て短日の五所川原
積む雪に重たき翳や雁木道