深浦と冬の五能線
その晩は鮑の踊り焼きなどを食べて句会を開く、前日も句会はやったがランプの下では、どうも暗すぎて
調子が出なかったが、この夜は酒も美味しく飲めて句会も堪能。
翌日は太宰ゆかりの秋田屋旅館(右の写真)北前船に因む風待ち館と円覚寺、港などを見学。
深浦、東能代と五能線を堪能した。冬の荒々しい日本海に風花が舞ったり、雲間から真っ暗な波間に
スポットライトのように日が差す様を見て、念願だった五能線の風景を頭にしみ込ませた。
その後は奥羽本線で秋田。秋田から新幹線で東京へ戻った。
冬怒濤夜の露天湯塩辛き
岩の上に手拭凍つる露天の湯
露天湯の雪に兎の跡走る
摩尼輪に小さき氷柱や杉木立
古伊万里の皿に藍濃し寒漁村
北前船の浦に北荒れ藍刺し子
風待ちの漁船のマスト冬鴎
風花や人影見えぬ魚市場
濤の花飛ぶ薄暗き蜑の家
冬濤の青さ暗さや五能線
雲間より冬の日矢差す海暗し
雪しまく絶壁の海暮れ初むる