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深浦と冬の五能線

 その晩は鮑の踊り焼きなどを食べて句会を開く、前日も句会はやったがランプの下では、どうも暗すぎて 調子が出なかったが、この夜は酒も美味しく飲めて句会も堪能。
 翌日は太宰ゆかりの秋田屋旅館(右の写真)北前船に因む風待ち館と円覚寺、港などを見学。
 深浦、東能代と五能線を堪能した。冬の荒々しい日本海に風花が舞ったり、雲間から真っ暗な波間に スポットライトのように日が差す様を見て、念願だった五能線の風景を頭にしみ込ませた。
 その後は奥羽本線で秋田。秋田から新幹線で東京へ戻った。


   冬怒濤夜の露天湯塩辛き

   岩の上に手拭凍つる露天の湯

   露天湯の雪に兎の跡走る



   摩尼輪に小さき氷柱や杉木立

   古伊万里の皿に藍濃し寒漁村

   北前船の浦に北荒れ藍刺し子



   風待ちの漁船のマスト冬鴎

   風花や人影見えぬ魚市場

   濤の花飛ぶ薄暗き蜑の家



   冬濤の青さ暗さや五能線

   雲間より冬の日矢差す海暗し

   雪しまく絶壁の海暮れ初むる



[了]
吟行2011,1,16〜18
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