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小石川後楽園U
櫨紅葉外るる空の深き碧
秋の後楽園
最近はこの小石川後楽園に足を運ぶ機会が増えた。
二つの句会に顔を出しているが、ともにこの後楽園を使用するので、月に2度来ることとなったからだ。
なかなか1カ所で1年を通した句を詠むことは難しいが、それが出来そうである。
春と初夏はすでにアップしてあるが今回10月11月の秋から初冬にカメラを持ち込んでみた。句も多くは
出来なかったが、一人吟行もゆっくりと回れて良いものだ。
ただ判っていても、ものぐさな私には、その後の句会なり何かの用事がないとなかなか出ない。
昨日も医者にコレステロールがだいぶ上がってしまった、と言われて、運動の必要性は理解しているのだが。
自動車の音を鎮めて冬桜
石蕗明かり後楽園の水鏡に
長き水尾池面の紅葉崩しけり
今年の後楽園もみじ祭は23日〜12月3日とのことで、若干早かった。
それでもトップ写真のように櫨は完全な紅葉。イイギリの実は真っ赤に熟れ、鵯などの小鳥に啄まれベンチを赤く
染めていた。
もともと後楽園は紅葉ずる木はそれほど多くはない。楓はあるのだが、これが今年は遅く、他の木と歩調が合ってない
情況だと思う。
中国西湖を模した池のほとりの石蕗の花、西行堂跡の碑に植えられた千両。九八屋の石蕗などはこの日が見頃であった
と思う。
さらに誰も気にも留めずと歩いていたが、一群の萩の黄葉はなかなか風情があった。
来月は恐らく雪吊りも出来て年用意の庭園となっていることだろう。
木洩れ日の日矢に、雪蟲の仲間であろうか。小さな羽虫が数匹舞っていた。
九八屋の低き庇や石蕗の花
実千両西行歌碑の文字薄る
堰止めの紅葉の筏太りけり
木洩れ日に羽虫の光る小六月
’07伊吹嶺3月号「伊吹集」収載
枯萩や閉園告ぐるスピーカー
ちぎり絵と見る他はなし紅葉山
[この項了]
吟行2006,11,15
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