館林つつじが岡公園と茂林寺(群馬県館林市)








     
公園中心部
    館林市は群馬県の東部、埼玉県と栃木県に挟まれたところに位置する。
 東武伊勢崎線で浅草から特急で約1時間、東北自動車道の館林IC。東京から一つ先がラーメンの街、佐野市。一つ手前は利根川を挟んで、埼玉県の羽生ICである。
 5月の連休中にテレビでつつじが岡公園の中継を見て、サンデー毎日の私は混雑のピークをやり過ごして訪問することに決めた。
 しかし、この考えは過ちであった。訪問した5月13日はすでに盛りを過ぎて、本日より入園も無料となった日であった。横浜から車で約2時間半ほどで道路は予想どうりにすいすいであったし、駐車場もがらがらで気の抜けたビールを飲んだようであったが、腹ごしらえ後、公園を一週することにした。
 公園入口にいくつか大きな休憩所があるが、どこも大衆食堂然として、あまりお勧めできるものは無いようだ。名物と書いてある饅頭も、諺通りの味である。
 確かに花の最盛期は過ぎていたが、それでも10000株の躑躅の大半は他ではあまりお目に掛かれぬ大きな木々であった。樹齢も800年〜1000年とのことであり、巨大山躑躅の群生は十分に堪能できた。
 その躑躅の中に消防忠魂碑があった。まわりの躑躅は焼け跡色になっていたが躑躅にはよく似合う碑ではある。
    躑躅燃ゆ丘に消防忠魂碑  光晴 (2003,05)
 館林には、この他田山花袋や向井千秋さんの記念館や彫刻の小径と多々良沼、コスモス畑などあるが今回は、分福茶釜で有名な茂林寺と羽生に戻り、淡水水族館のさいたま水族館を見学して帰途に着いた。
大きな躑躅の群生 公園内の日本庭園
睡蓮が綺麗でした。睡蓮は羊草とも言う。 これから咲く皐もあるようでした。これは霧島系でしょうか。
 茂林寺は東武伊勢崎線の館林駅の一つ東京寄りの茂林寺駅前にあった。
 山門を潜ると、参道の両脇に陶製の様々な狸が出迎えてくれる。茶釜に化ける寸前の狸から、一杯飲んでご機嫌の狸まで、数十匹いる。
 お賽銭と拝観料を払い本堂に入ると寺宝の分福茶釜がある。さらに奥の部屋には狸だらけの狸部屋もあった。
 また本堂の天井高いところにまで、千社札が貼られており、驚いた。
薫風裡立ち並びたる陶狸   光晴(2003、05)

 さいたま水族館は淡水生物の水族館である。淡水で私が知っているのは、他に井の頭公園にある水族館ぐらいだ。
 世界の川シリーズと名打った展示で南米のラプラタ川展が開催されていた。マイナーな水族館と思われるが、なかなかな施設で楽しい。
 水族館の前面には大きな宝蔵寺沼があり、国指定天然記念物のムジナモ(根がない藻草で、食虫植物である。)の自生地だ。葭切がうるさかったが、風が吹いたりするとピタリと鳴き止む。浮き橋の上に大きな青大将が2匹いたが、これも雛を狙っているようであった。大自然の中を歩くのは気持ちが良いが、傍らでは生存競争の営みが繰り返されていることを思い知らされた日であった。
糸蜻蛉、とうすみとんぼ、灯心蜻蛉などと言う。季語は夏、蜻蛉は秋です。
 蘆原の鳥語静めし青嵐  光晴(2003,05)   揺れ動く浮葉に縋る糸蜻蛉  光晴
  (2003,05)


最終吟行日 2003,05,13



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