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枯葦や婆の棹さす潮来舟
加藤洲十二橋
昼食後水郷の加藤洲十二橋を女船頭の船で回った。
潮来の水郷は全国的にも名が売れていると思うが、佐原の水郷と繋がっているとは思っていたが、観光の目玉となる
場所は出発点が違うだけで同じところであった。
与田浦から常陸利根川に抜ける狭い水路で、両岸の民家を結ぶために一枚板の橋が10数メートルおきに何本も
架かっている。
常陸利根川から乗れば、そこは茨城県の潮来なのだ。迂闊にもここに来て始めて知ったことである。
幅4,5メートルの水路で各家専用の船着き場が設けられていた。
このような光景は中国蘇州の水上バスでも見られたが、日本はだいぶ努力をしているのだろう、水も綺麗で気分が良かった。
船着き場からは筑波山が綺麗に見えた。バスからの夕映えはさらに素晴らしい景色であった。
北浦の大き落暉や冬の晴
夕映えの枯葦原を埋尽くす
筑波嶺の見ゆるばかりや神渡
鹿島神宮
冬日和舳先に魚跳ぶ遊覧船
参道の足に八つ手の花明かり
巖座(いわくら)は何と小さし雪ばんば
船の行く手を魚が跳ねまくっていたが、レンギョだそうだ。美味しくないので誰も捕らないのだろう。
鹿島神宮は勝負の神様だと言うが、もっと早くに詣でておくべきだった。麻雀も株も今となっては手遅れだろう。
写真にある石は要石とか巖座(いわくら)とか言われる石で、いくら掘っても裾が出ないと言うことだが、見た目では
持ち上げられそうな石で驚いた。
バスに乗り込む頃には空はだいぶ暗くなり三日月がきれいに浮かんでいた。
冬の月大利根川は黒き帯
’07伊吹嶺3月号「伊吹集」収載
[了]
吟行2006,11,24
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