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西表島
日本の一番西にある島、西表に来た。
西表山猫で有名ではあるが、現地に来られるとはつい最近まで思っても見なかったので、感激した。
なるほど集落は港近くに少しあるだけで、中央の山から川や海にせり出したマングローブの茂みが続く亜熱帯の密林だ。
それでも100頭を切ったと言う山猫が、年に数頭自動車事故に遭うと言う。我々もバスで移動しているのだが、なんとも やりきれない気分になった。
仲間川の河口からマングローブや八重山椰子を見て上流に行くと、サキシマスオウの木がある。根が舟の梶そのものの 様な木であるが、この木もほとんどないらしい。
年齢を問わずに嫁を募集していると言っていたが、住民の生活も大変だろうが、これ以上少しでも人間が増えれば、 西表の自然は完全に消滅するだろうと思った。
マングローブ遡上の舟に春の雨
春風や蝶の蛹の金の色
水牛の大き眼や春かなし
仲間川のクルージングを楽しんだあと、水牛車に乗って由布島に渡った。
水牛車に乗る頃、南国のスコールであろうか、強烈な雨風に襲われた。そんな中でも水牛であるから悠々と自分の仕事 をしていた。海に出ると御者は三線を出して安里屋ユンタを謡ってくれた。
今では、由布島は島全体が亜熱帯植物楽園となっている。
幸いなことに園内ではしだいに雨も上がり、珍しい動植物を見ることができた。
徳利椰子の群落や渡り蝶のアサギマダラ、オオゴマダラやその黄金の蛹など。さらには沢山の南国の花の写真も撮った のだが、名前の判るものがなく掲載できないのが残念である。
下は青磁の大徳利を載せたようなトックリヤシの林。
春雨の靄に隠るる水牛車
風光るあさどやゆんた唄ふ御者
伊吹嶺'10年4月号新同人競詠発表句
スコールの過ぎて明るき春の虹
伊吹嶺'10年4月号新同人競詠発表句
アサギマダラは渡りをする蝶として有名である。
最近は逆にだいぶ北方でも飛来が観察されている。
オオゴマダラの蛹。
本当に生き物とは思えない。
ブローチにしたい女性もいるだろう。
目立ちの印しがちょっと残念。
今回は南国特有の青い空青い海には遇うことが出来なかったが、その色を頭に描くだけでも理解出来る気になったのは、 収穫であった。収穫と言えば砂糖黍の収穫が1年半で、春とも新しく知ったことだ。
どんな旅であれ、何かしら教えられて帰って来る。
いずれこのような安旅行には、足腰が言うことを効かず参加も出来なくなるだろう。
出来る内に1回でも多く、楽しい仲間との旅を重ねたいものである。
[了]
吟行2006,2,17〜19
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