夏 その七

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フクシア、釣浮草。季語 夏。ホクシャと言う人もある。

フクシアや異星の人の吊り人形 
           光晴

ワルナスビ。茄子の花、花茄子、なすびの花に入れて季語は夏で良いか。野生種で北米原産。花は茄子に似ているが、 色が薄い。茎や葉は棘だらけで根のきつい。田圃や畑の畦などにも見かける、やっかいものだ。京成バラ園にて。

ワルナスビいい気なものよ夏の野に
           光晴

車輪梅。同族に葉が丸い丸葉車輪梅がある。 無季の花であるが、五月初旬頃見事な花をつける。好きな花の一つだ。

 夏めくや風に揺らげる車輪梅
           光晴

虎斑アナナス。ガイアナ原産のパイナップル科の植物。室内の観葉植物だから無季であるが、日に当たった花が やけに綺麗であった。
京成バラ園にて。
沙羅の花、夏椿。季語 夏。沙羅双樹とは違う。5弁の白い花が美しい。

 本堂に遠き潮騒沙羅の花
           光晴

2003年「伊吹嶺」9月号伊吹集収載句。
ふらねる草、酔仙翁花(すいせんのう)。季語 夏。良く町屋の花壇で見かける花だ。しかし「すいせんのう」 などという俳句的な名前は知らなかった。

 幼子を母が呼ぶ声ふらねる草
           光晴
南天の花。季語 夏。米粒のようだ。開くと花心は黄色である。南天の実は冬の季語。
南天は少しの雨でも風でも、すぐに這い蹲ってしまう。その翌日には何事もなかったように元に戻っている。

 南天の花傾ぶけし昨夜の雨
           光晴
なんてんのはなかたぶけしよべのあめ
かやつりのいろなくさけるのにおりぬ 萱吊草、蚊帳吊草(かやつりぐさ)。季語 夏。盛夏になり、実になるころは線香花火を逆さにしたようで、ごつく 目立ちもするが、花は意外とひっそりとした花だ。

 萱吊草の色無く咲きし野にをりぬ
           光晴
姫女苑(ひめじょおん)。季語 夏。北米からの帰化植物らしい。春の歳時記には春女苑(はるじおん)もある。春女苑は 蕾の間は首を下げている。花期は重なる時期が多いようである。
朝倉氏遺跡の一乗谷川にて。

 水清き一乗谷や姫女苑
           光晴
ぎしぎしやさびてつぶれしドラムカン 羊蹄花(ぎしぎし)、ぎしぎしの花。季語 夏。「ぎしぎし」は季語春で新芽を「陸じゅんさい」と言い、食用になる。似ている草に酸模(すいば) がある。これは「すかんぽ」「すいすい」等と呼ばれて俳句にも使用される。

羊蹄花や錆びて潰れしドラムカン 
           光晴


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