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グレートウエーブ・インパクト



慰霊堂の池畔に燃えて百日紅

2024年伊吹嶺10月号風光集掲載句

 すみだ北斎美術館は2016年に出来た比較的新しいミュージアムである。
 以前この両国を吟行したのは、  2007年の暮であり、その頃は当然なかった。
 北斎については、現在住んでいる上総の夷隅に浪の伊八作の彫物が多く残されてをり
、  あらためて、その関連などもと思っていたが、伊八からの影響については一言も
 記されていなかった。
 都の慰霊堂は以前も参拝した処ではあるが、東京大空襲の写真を見て、あらためて
 ウクライナの惨禍に思いを馳せたのであった。
 慰霊堂のある横網公園は、百日紅の他、秋の七草でもある、桔梗や女郎花も
 すでに咲いており、暑さの中にも秋の侘しさも感じる吟行であった。
 

  大浪を潜ぐるサーファー北斎忌

2024年伊吹嶺10月号風光集掲載句


  炎昼や空に溶けゐるスカイツリー

  両国に「浪の北斎」見て涼し


  北斎の波伊八の浪よ夏の浜

  北斎展出でて味はふ氷菓かな

  参拝の鉦の音涼し慰霊堂


  昼灯す慰霊の燭や夕立雲

2024年伊吹嶺10月号風光集掲載句


  梅雨寒やキーウを思ふ慰霊堂

  底紅や大戦在りし日は遠く

[了]
吟行2024,7,13

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