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福井の2
結界に羅の僧身動がず
永平寺
永平寺に着いたのは4時であった。
参道にはいると大きな杉で辺りに日の光はない。せせらぎの音が心地よく耳を擽る。
苔はしっとりと水を含み濃い緑を敷きつめていた。
前述のように、この永平寺も雪のころと秋の紅葉のときの2回訪問しているが、いつ来ても心が
洗われるような、良い気分になるお寺である。
傘松閣(さんしょうかく)と言う、230枚の日本画が天井を飾る大広間から順路に沿って、拝観
させてもらった。
風涼し傘松閣の天井絵
法堂(はっとう)へ僧の羅ひるがへる
俳人協会創立45周年記念北陸俳句大会2主宰の佳作入選句
仏殿の瓦染め上ぐ大西日
滴りや岩苔肥ゆる永平寺
杉山に夕霧音もなく迫る
磨かれし長き回廊涼しかり
山麓の青田靡けり越の旅
日が大きく傾き始める頃、仏殿に修行僧が集まり読経が始まった。晩課と言うそうだ。ちなみに
朝課は法堂で1時間あまりの読経が行われるそうである。すばらしいハーモニーであるが、1時間も
聞いている訳にも行かず、磨き抜かれた回廊を山門へ回り、四天王や吉祥の額を拝んで福井へと車を
返した。
大西日法堂に鐘響きをり
06年「伊吹嶺」伊吹集10月号収載
この年は北陸に行くことが多かった。
風の盆の帰りにも回り道をして寄ったので、こちら
も載せて置くのでご覧頂きたい。