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福井の4
越前大野
翌日、越前大野に向かった。大野は、永平寺よりさらに東の山奥で、信長時代に金森長近が城を
造り、京に似せて碁盤の目の町を作ったところである。
北陸の小京都と呼ばれる所以らしい。
ここも、高山や輪島同様に朝市が有名なのだそうだ。
しかし、どこもそれほど変化に富んだ商売があるわけでもなく、私などは俳句作りに大変困って
しまった。
日本の名水百選にも選ばれているところで、源泉を御清水(おしょうず)と言うそうだ。
朝市の通りにも七間清水(しちけんしょうず)があった。
左の写真のような商売屋が並んでおり、右の張り出しを「そでうだつ」と言い、飾りと隣家との
防火塀の役目もしたそうだ。
朝市は観光客目当てよりも地域に密着して商売をしているように見えた。
パラソルの陰で茄子売る朝市女
竹の皮舞落つ鄙の無縁墓
あおみどろ糸魚(いとよ)隠して揺れゐたり
06年「伊吹嶺」伊吹集11月号収載
町中の用水を流れる水はどこも水量も多くきれいであった。寺町も一角に整然としていた。
裏手の墓地は荒れ放題で、古い墓石の後ろには皮を脱いだばかりの今年だけが青々としていた。
ここ大野には、一乗谷にもあった、朝倉義景の墓があった。たしか首は信長に渡された筈だし、ど
ちらが本当の墓かわからない。すぐ裏は民家であるが、ここも大きな杉の木の中に置かれていた。
昼食後糸魚(いとよ)の生息地、本願清水に向かう。ここのイトヨは天然記念物なのだそうだ。
清流の魚のイメージが強かったが、結構アオミドロの繁殖した濁った流れにいたので驚いた。
湧水の富栄養化が原因だそうで、絶滅しないように祈るしかない。
ここより、九頭竜川に沿って下り、山中温泉に向かった。途中は日本でも有数の恐竜化石の出る
地域であり、俳句とは関係ないが個人的興味を強く引かされた。