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入谷の朝顔市

あねさんのあいのゆかたやゆうのいち

姉さんの藍の浴衣や夕の市 


合羽橋から入谷へ

 7月の8日、入谷鬼子母神の朝顔市の最終日である。
 朝顔市は3日間行われ、翌日からは浅草浅草寺の鬼灯市が開かれる。
 五月の三社祭から始まって、朝顔市で下町の夏は最盛期を迎える。
 この日、私たちは地下鉄銀座線の田原町から合羽橋をひやかして、朝顔市の鬼子母神に向かう 順路を採った。
 まず東京東本願寺を参拝、古代蓮の鉢に囲まれた蓮如像を拝む。本願寺騒動のことは、忘れて しまってよく解らぬが、ここも本山なのだそうだ。
ひょうのじのはたうるみせののきすずし
 紅蓮や錫杖太き蓮如像

 炎昼や勾配急な寺の屋根

 氷の字の旗売る店の軒涼し

 一葉の書簡の細き文字涼し

あさがおのはちつみあげてうるおとこ  合羽橋商店街は、包丁、鍋を始め食いもの屋を開くにはご厄介にならざろうえない場所だ。
 心太突きや氷の旗、氷掻きも昔風から新しいものまで売っている。ひやかし歩けば、少し涼しい 気分になれるから不思議だ。ここも七夕祭りで、ちんどん屋まで出て賑わっていた。
 街の外れに台東区生涯学習センターがある。樋口一葉記念館が改築中で、現在ここで展示されて いるため、寄り道を決め込んだ。
 一葉以外にも書簡が残されており、展示されていたが、とにかく昔の人々の筆はみんな上手いのは どうしてなのか不思議である。

朝顔市

 鬼子母神の前はもちろん交通規制がされ、歩行者天国になっているが、昼過ぎからごった返しと なっていた。一鉢3000円の朝顔が飛ぶように売れる。境内にまで店があり、ここでは、朝顔の切手 や江戸風鈴、寺が社務所で売る朝顔のお守り、(何に効くのだろう?)そして前まで行けないので 人山越しに飛ぶお賽銭。カメラを抱えて歩いていたら、いつの間にかまた表に送り出されてしまった。
 この熱気、句会を終えていつものように一杯飲んで、もう一度歩いたが衰えていなかった。
 私も一鉢購入して、日暮里駅へと向かった。

 暑き日や賽銭の飛ぶ鬼子母神

 朝顔の鉢積み上げて売る漢

 小声にて負けぬ朝顔負けくれり

 朝顔市法被の姉御声高し

最終吟行日2006,7,8

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