大山阿夫利神社と大山寺の紅葉

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  大山阿夫利神社下社
瑞垣の紅葉に結ぶ神籤札 (2003,11)

大山阿夫利神社

萎え兆す足さすりつつ紅葉狩 (2003,11)  大山は神奈川県伊勢原市にある、1251メートルの山である。
 今でこそ関東の近場の観光地として老若男女が簡単に行ける所となっているが、それでも私なぞは下社まで行くのがやっとである。
 駐車場からケーブルの下駅である追分駅までが結構しんどいのである。少々混んでいる日であると駐車場はさらに下になる。  駐車場あるいはバスの終点からは、こま参道という両側に休憩茶屋や大山独楽や漬け物のお土産屋のならぶ磴をしばらく登ることとなる。
 磴の踊り場ごとに何段目かが独楽の絵で示されている。俳句を作り始めてからは車で時々参詣している。
 元来は阿夫利神社はアフリ=雨降り、で農耕と強い結びつきのある信仰対象だったらしい。 山頂には本社があるが、縄文式土器なども発掘され、当時の土着民もこの山を信仰対象としていたらしい。
 山頂は、山頂祭祀遺跡としても認定されており、神社の創建は紀元前97年頃とされている そうである。
ケーブルをおりて社の秋気澄む (2003,11)   レジャーの少なかった江戸時代には、大山詣でという言葉があるぐらいに庶民に開運を祈願する神社、寺として 賑わったようである。
 なかなか霊験があるようで、私もお参りしてくると麻雀に勝つことが多い。ただ長続きしないのは お賽銭が少ないせいだろうか。3億円宝くじ当たってからのお礼参りではお願いを聞いてもらえない のかな〜。年末ジャンボ買うつもりなんだけど。当てさせて欲しいなあ〜。
 この社殿がある場所を下社といい、ここまではケーブルカーを利用すれば6分で標高差278 メートルの山を登れる。下社は海抜685メートルに位置する。私はまだ本社まで登ったことはないが 、さらに566メートル登らなければならない。上まで行く人も多いので一度は時間を掛けて 登りたいと思っている。下社の境内からは伊勢原、藤沢そして江ノ島が浮かぶ相模湾の海が広がって 見えていた。

雨降山大山寺

寺磴いま紅葉隧道とぞいはむ (2002,11)  ケーブルカーの中間駅(不動前)にあたるところに大山寺がある。鬱蒼とした谷の中で、 小さなお寺であるが神秘性を感じさせる。
 もともと奈良時代の開山になる古寺で真言密教の修験道場として栄えたそうで、阿夫利神社と 一体化していたようだ。明治初年の「神仏分離令」で下社から分かれ、現在の場所に移ったそうだ。
 ご本尊の不動明王像はじめ、寺宝の幾つかは、国の重要文化財となっている。
 また、大山不動尊とも言われるこの寺は関東36不動霊場の第一番札所であり、関東の三不動とも 言われるらしい。
 下社からは女坂経由で20分くらいで行ける。女坂の下りとはいえ、結構きついので履き物や足回り には十分気をつけて行かねば大変である。
  紅葉濃死不動明王御座す寺 (2003,11)  大山阿夫利神社の紅葉も立派であるが、この大山寺の紅葉は一段と凄い。
 磴は誇張でなく紅葉隧道である。よくもこんなに赤くなるものだと思う。
 昨年も11月20頃に紅葉を見に来たが同じように綺麗であった。どうもこの頃が 一番良い時期らしい。来年行ってみようとお考えなら、この前後がよいと思う。
 紅葉を堪能した後は、さらに20分程下ればこま参道にたどり着く。足の弱い方はすべて ケーブルカーに乗った方が無難である。路はもう一つ男坂があり、共に修験道者が使った道である。 まだ男坂も試していないが休み茶屋に着いた時には脹ら脛がぶるぶる痙攣していた。修験者の苦労が忍ばれる。
 今回はあまり句を拾う事も出来なかったが、御利益と景観に満足な上に、今回こま参道の休み茶屋の「とろろそば」が 予想以上に美味しかったので、今後とも吟行地として活用したい場所である。
夕鐘に寺の紅葉の散りいそぐ (2002,11) 千丈の渓に雪崩るる紅葉かな (2003,11)

最終吟行日2003,11,22





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