房総の四季
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上総一宮
上総一宮とは、玉前神社のことであり、延喜式神名帳に載る古社のことである。祭は上総の裸まつりとして房総半島に
多く見られる、浜降り神事の代表である。今回は引っ越し疲れの妻の緊急入院で参加は出来なかったが、我が家の庭先
100bで揚がる花火を見上げる事が出来た。
玉前神社には蕉風俳諧を伝え広めた俳人起名庵金波が,芭蕉の偉業を称え,その得を奉賛せんと門人140余人の句を
選び,明治初年に建立した句碑がある。句は「叡慮にて賑ふたみや庭かまど 」というもので、この地は昔から豊かで
人情の厚い土地であったらしい。
我が家のあるところは船頭給と呼ばれているが、一宮町に合併される前は長生郡船頭給村で
あった。名前の謂われは今のところ、いろいろな人に尋ねているが、解らない。
銀漢や終の住処へ波の音
秋あかね発車ベル鳴る田舎駅
稔田や朝日に光る昨夜の雨
以上3句10月号伊吹嶺遠峰集より
星座とは斯く美しき青田風
新参の吾を歓迎灯取虫
大花火厨の窓を赤く染む
船頭給地区の産土神は水神様とのこと。上総一宮と言うので、玉前神社がこの辺一体の
守り神と思っていたら、昔の村ごとに産土神はあるわけで、現在の船頭給およびそのほん
の近くにも、南宮神社、八坂神社、諏訪神社、市松神社などがある。そのうちここの
八坂神社は近くの八坂神社と合併したとのことで、祠と顕彰碑のみが残っている。
水神社も一松神社の宮司さんが兼任とのことで、お札を持ってお金を集めに来た。
船頭給には、此の地区から門外不出の獅子舞があるそうで、250年ほどの歴史があり、
一宮の無形民俗文化財に指定されている。春には船頭給の各家庭の庭先で獅子舞を舞って、
無病息災を願ってくれるそうだ。
この大公孫樹も昔の大火に耐えた木とかで町指定の天然記念物となっている。この日
おびただしいほどの銀杏が落ちていたが、誰も拾っていなかった。
流灯の此岸離れぬもの一つ
早稲の穂の黄金光りや大落暉
早暁の半刻と決め草を引く
以上3句11月号伊吹嶺遠峰集より