房総の四季
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妙楽寺の御開帳

護摩の灯の仏に揺らぎ春めけり





2月8日上総一宮駅から車で2,30分の睦沢町の妙楽寺で御開帳が行われ,国の重要文化財である 木造大日如来坐像を拝顔できるとのことで、小雨催いの日ではあったが行ってみた。 如来は丈六仏で279センチある。県内最高で東日本でも特別な大きさだそうだ。
古くて剥げも目立つがどっしりとした仏様であった。
堂は極彩色の格天井で紋のようなものが描かれていた。護摩を焚く時間になったら、多勢の信者が堂の外 にまで溢れてしまった。辺鄙な場所で、そんなに人が集まるとは思いもしなかった。
上総、安房には昔から慕われている寺や神社が本当に多い。それも格式と歴史があるので訪れてもどこも 面白い。


       開帳や雨のそぼ降る堂庇

       護摩焚いて如来煙に燻さるる

       うららかや集ふ信徒にお説教

       護摩煙る鉈彫仏や春の雨

15年伊吹嶺誌6月号遠峰集




小雨煙る中妙楽寺の墓園から見る村落は実に静かな佇まいであった。谷間の村落は 御開帳の日でも平常の生活を送っている。寺に現世があり,村にあの世があるような、 そんな感覚にとらわれた。

       春雨の薄き帷や梅かをる

       紅梅や雨に煙れる峡の村



この項了


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