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清澄白河(江東区)

つりばしのしちゅうはくろしあきゆやけ

吊り橋の支柱は黒し秋夕焼

清澄白河駅周辺

 本日は清澄庭園中心に吟行会を開き、芭蕉記念館で句会を行うことにして11時半集合としていたが、 間違えて早めに着いてしまったので、駅周辺をしばらく彷徨いた。
 愛用のカメラの調子が悪く、携帯電話のカメラで写したが慣れがなく、上手くは撮れなかった。
 上の写真は北斎の富嶽参拾六景や広重の名所江戸百景に選ばれた万年橋から富士山方面を眺めた図。 橋は清洲橋で昭和三年完成の吊り橋だ。俳句は以前ここで詠んだものである。
 左は採茶庵(さいとあん)。芭蕉が此処によってから奥の細道に船出した場所で、仙台堀川の縁に ある。大きな鰡がいっぱい遡上してきていた。


   天高しいざ旅立ちの芭蕉像

   翁発ちし川に鰡群る日和かな

   相撲部屋の干さるる廻し秋日濃し

清澄庭園

 弁当を調達した後、度会園女の墓がある雄松院 に手を合わせ、芭蕉の忌もそろそろだな〜と思いつつ庭園入口に向かった。
 庭園は彼岸花が咲き始めて、あちらこちらが赤かった。
 芭蕉句碑の暗みには昼ちちろが鳴き、句碑の「古池や・・・」とは違うが「むざんやな甲の下のきりぎりす」を思い、 そこから実盛の霊に逢ったと言う十四代遊行上人の 篠原古戦場跡に思いをはせた。
 どんぐりや銀杏の実が転がり、萩や秋明菊も咲いて暑い日ではあったが、秋を満喫できた。林間に木の実の落ちる音を聞き、宮沢賢治の忌日を偲ぶことも出来た。
 句会場までの道には、芭蕉稲荷、芭蕉坐像などあり、北の湖部屋など相撲部屋もある。

   木陰濃き芭蕉の句碑に昼ちちろ

   曼珠沙華甲羅干しゐる池の亀

   馬頭観音の前に攻め来る秋蚊どち

   動くとも見えぬ小舟や萩の風


 立派な芭蕉記念館の大座敷で楽しく句会を済ませ、いつもの反省会に急いだ。
 お陰で、みんなで今日の一句を記念館に投句するつもりだあったのに忘れて帰ってしまった。
 反省会は地元の友人ご推薦ののらくろ通り商店街にある焼鳥屋。開店に間があったがご主人の 好意で入れてもらい、美味しく飲みかつ喰らい一日を締めくくった。

どんぐりの降り来る音や賢治の忌


[了]
吟行2007,09,22

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参考
深川散策と清澄庭園
深川散策と清澄庭園の二