写真は写真の上でクリックすれば大きくなります。
戻るボタンで元に戻ります。
孔子祭とイースター(東京都文京区、千代田区)



釈奠や供物の祭官辞儀深し

 四月の第四日曜日に釈奠(せきてん)と呼ばれる孔子祭が行われることを句友から教えられた。またちょうど今年は キリスト教の復活祭も当日に当たるとのことで、釈奠の湯島聖堂と復活祭のニコライ堂を吟行することにした。
 前日の大荒れの天気から一転して、穏やかな初夏の日差しの中、礼節の孔子の祭を始めて見守り、また、キリストの 忌日である復活祭の一端を大聖堂の中にかいま見て、伝統ある儀式に心洗われる思いであった。
 孔子祭の写真は人の頭越しで、ぶれ気味であり、ニコライ堂では写真は厳禁と言われ写すことが出来なかった。
 屋根の霊獣は鬼龍子と言われる守り神。ここの鯱は水を噴き上げて、火を寄せ付けないようにしている。ともに 珍し物である。


   聖堂へ銀杏並木の新芽たつ

   笙そつと試し吹きたり祭人

   孔子祭堂に林檎の香の満てり



   聖堂を護る霊獣新樹風

   孔子像見下ろす枝の蔦若葉

   穴出でし蟻の戸惑ひニコライ堂



   燭灯す異教の漢復活祭

   復活祭燭にイコンの揺らぎけり

   染卵色付く指を見せ合へり
11年伊吹嶺8月号遠峰集収載句



吟行2011,4,24


新新「私の吟行地」目次Uへ
新々「私の吟行地」目次Tへ
新「俳句とカメラで綴るムーさんの歳時記」へ
俳句とカメラで綴るムーさんの歳時記(トップ)へ