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難波田城公園と水子貝塚公園(埼玉県富士見市)



雲奔る城址の濠に蘆尖る

かぜあれてはちすのつゆのこぼれけり  難波田城は中世にこの辺を本拠とした、難波田氏の居城跡の平城である。
 戦国時代、扇谷上杉氏に仕えた一族だそうだ。
 この城址公園は主として居城への入口付近と濠の一部を公園化している。館のあった辺りは住宅地となってしまていた。
 隣り合わせに江戸時代からの古民家を近隣所在地から集めて何棟か保存展示している。
 ちょうど金木犀が良い香りを放っていた。
 また、水子貝塚公園はさらに時代を遡り、縄文時代の遺跡公園であった。
 東京湾がこの辺りまで深く達していたとのことで、その頃の海辺生活者の集落跡だそうである。
 竪穴住居が復元されていた。



   銀やんま城址の濠の形に飛ぶ

   蓮の露風に零れてしまひけり

11年伊吹嶺2月号遠峰集収載句

   城跡に真青な空や鳥渡る



   柳散る江戸の名主の長屋門
11年伊吹嶺1月号遠峰集収載句

   金木犀古き商家の奥座敷

   秋風や猫が迎へる冠木門




   毒茸名主の庭に権現碑

   竹林に葛の葉裏の翻へる

   帰り花武士棲みし館跡




   復元の竪穴住居木の実降る

    轢かるるな道に孕みの枯蟷螂

   飛蝗飛ぶ昔は海といふ野原



吟行2010,10,05


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