水族館と旧御用邸

(静岡県沼津市)
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深海の魚見る館や灯の涼し



沼津港深海水族館

 この水族館は名前の通り、沼津港の市場の中にあり、シーラカンスの剥製の他、珍しい生き物を集めた水族館である。
   小型の水族館ではあるが、ひかり金目鯛の生態や数年間絶食が出来る大王具足虫などの不思議な生物や変わった綺麗な磯巾着類など目を 楽しませてくれるものが多い。
 回りの市場は地物料理の店が多く、大変混み合っていたが、何処に入っても美味しい食事ができる。沼津近辺に行かれたら是非一度寄って みて欲しい。


 渋滞の空に縦横夏つばめ

 炎昼やシーラカンスの硬鱗(かたうろこ)

 海鞘と云ふへんな生き物天花粉


  

  狆穴子覗く硝子に子の笑顔

  熱帯魚蛍光灯に光り合ふ

 

旧沼津御用邸

 旧沼津御用邸は水族館の対岸にある。主として昭和天皇が使用されたようだが、今上天皇も疎開地としておられたそうだ。
 今は記念公園として市民に公開されている。空襲により大分焼失したようだが、玉座など当時を偲ばせる物も多く、釘隠なども当時のものが 再現されており、目を楽しませてくれた。


 使はれぬ玉座に柔き晩夏光

 廊涼し形の違ふ釘隠

 夏の富士雲より裾野広げをり



  天皇の厨に夏日惜しみなし

  風鈴に海風強き御用邸

  雲のふち黄金光に夏夕べ 

吟行2013,7,28
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