房総の四季
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外房七福神 東漸寺
春日燦布袋は腹を曝しきり
上総一宮 東漸寺
ご本尊が波切不動明王の東漸寺で三月八日に波切祈祷会が行われた。これは四年前の東日本大震災の慰霊とこの地方を
襲った、1601年の慶長の大地震 大津波,1677年の延宝の大津波、大地震をも忘れないための祈祷であろう。
もちろん漁民の多い土地で、海難に対する恐れもこの信仰に大きく傾いている由縁だろう。
なお、慶長17年(1612年)の開山で、本堂は火災消失後天保4年(1834年)に建てられたもの。
さらに本尊は秘仏で御開帳されたことは無いそうである。
本堂の写真は波切不動会当日は天候が悪かったため後日七月に参詣したときのものを使用している。
欄間や格天井の会なども格調の高いもので,彫りは波の伊八では無いようだが見事なものであった。
また本寺は外房七福神のうち布袋尊の寺でもある。
教典を流し読む僧春未だ
振る舞ひの豚汁美味し冬の雨
太鼓打つ少女の腕春めけり
このお寺さんは房総には珍しく曹洞宗の寺院である。寺宝の一つも大変珍しいもので、皇女和宮が降嫁の時に使用した,
駕籠がある。
二挺あり、相当に草臥れているが本堂外陣に吊されている。これは上総一宮町の有形文化財にも指定されているが、和宮
降嫁の時、幕府からの使者役として迎えに行ったのが当時上総を納めていた加納遠江守久徴公(加納藩14代目の殿様)で
あった。その労をねぎらわれて下賜されたものだそうである。
その後廃藩置県の折りに東漸寺に寄進されたのだそうだ。
この日は雨であったが和太鼓の合同演奏が堂内で行われた。何せ歴史的お堂なので大太鼓が響くたびに天井の埃が舞い
落ちると言うおまけまで付いたがよく練習されており,素晴らしいものであった。
さらに祈祷会は5人の僧によるもので、教典をそれぞれがぱらぱらと右から左手へ流し込み、すべての経を
読んだことになるものらしい。このお手並みも素晴らしいことであった。
最後に切幣とお札を頂いて、さらに振る舞いの豚汁も頂戴できた。
春の塵落つる御堂や大太鼓
うららかや和宮(みや)の降嫁の駕籠古りて
春愁や降嫁の駕籠の漆剥げ