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名古屋城

日を浴ぶる金の鯱冬紅葉
名古屋も現役の頃、何度となく訪れている地であるが、間近にお城を見るのは始めてであった。
尾張名古屋は城で持つと、地唄に唄われているが、金の鯱を近くで見て、名古屋の人々のお城への気持ちが理解でき
たような気がした。
全国各地を飛び歩いていたにもかかわらず、どこも心で見ていなかったことは、たいへん残念なことであった。
昨日明治村を見て、お城の正門前のホテルに宿を取り、午前中に名古屋城を見学、午後は句会があった。
朝起きて9階の部屋から見る街は冬晴の中に輝き、佳句を拾えそうな気分になり、勇んで出かけたのだが、美しいお城
は美人と同じで、なかなか心を通わせてくれない。
まだまだアプローチ不足ではあるが、私の言い分を句に認めた。判ってくれるかどうかは不明だが。
冬空や高き兜の清正像
朝の日に桜紅葉の散りいそぐ
張り替えたばかりの金の鯱は、朝日に輝いていた。忍城の鯱より大きく見えるのは、やはり金で光を発散するためか。
天守の大きさは問題にならぬほど壮大である。
この辺紅葉は盛んであり、晩秋と初冬の混在した庭園が清々しかった。
お茶屋は開店前の掃除で懸命に散り紅葉を集めていた。竹箒の音も良い感じだ。
お濠の半分は空濠となっており、鹿が飼われている。ときどきあのもの悲しい声で鳴いていた。
寒牡丹の畑には早咲きの牡丹がすでに2、3輪の花をつけていた。
綿蟲やお見世はじめの竹はうき
城庭に冬牡丹の芽のほのか
楝の実輝く空の青深し
もろい石灰岩をくり抜いた鉄砲狭間や石垣のとてつもない大石、清正石。誰が調達した石かが判るようにした刻紋の
ある石。錆びた鉄扉の二之門など、鯱や天守以外にも興味を引かれるものも多くあった。
うまく句材として用いている連中が多い中、私にはうまく詠むことが出来なかった。
また、下の写真は正門横にある榧(かや)の木は樹齢600年以上とのこと。
名古屋城の栄枯盛衰をつぶらに見てきたことになる。近頃評判のど根性野菜と共に植物の生命力に驚かされる。
真っ赤な星にビードロの碧眼の臭木の実も、幻想的な美しさがあった。
人の力で作られたお城も素晴らしいが、自然はそれを超越した賛美に値するものが多い。
一つでも多くの賛美に値するものを探して、俳句の旅を続けて行きたい。
蔦紅葉錆びし城門覗きをり
烏鳴く城の朝や臭木の実
年代の榧の大洞(うろ)冬ざるる
完
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