初夏の房総に遊ぶ

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はえごちやつきのさばくのぞうにかげ

  南東風や月の砂漠の像に陰

久里浜港から金谷、御宿へ

 立夏には未だのみどりの日であったが、気持ちの良い風と青く輝く海は初夏そのものであった。従って実感重視で 春と夏の季語を使い分けて書いてみた。
 フェリーは昔ほどのピストン運行もなく、30分に一本の割ではあったが、予想を上回る混雑で、景気低迷を気にして いたが、少し安堵と言ったところ。小泉進次郎の地元で当然ではあろうが、土産店の最前列が進次郎コーナー。見ている 間には一つも売れなかったが、人気は相当のものだ。久里浜の潮干狩りや鯛釣り船を見ながら金谷港に着く。
 金谷港そばの寿司屋も満車、保田漁港に寄るが、ここも満員で干物を買うに止まった。鋸南道の駅でやっと食事に ありつける。
 昔釣りの帰りに枇杷を良く買った店に寄ったが、まだ美味しくないと言われ、富浦の崖観音に向かう。これより、 洲崎、白浜、鴨川、御宿と一二八号線を回り、海ホタル経由で家に戻ったのは11時を回ってしまった。



   青き藻の乾ぶ雁木やみどりの日
11年伊吹嶺8月号遠峰集収載句


   遠浜に屈む父子や浅蜊掻



   五月風髪靡かせてフェリーの子


   湾口を結ぶフェリーや新樹風




   堂の裏紫雲の如き藤の花


   蝿うるさ漁港の市の混み合へる




   青葉潮崖観音を目指し来る
11年伊吹嶺8月号遠峰集収載句


   卯波晴鳥山に急く遊漁船



   断崖の古き地層や藤の房


   初夏や湾に水脈曳く高速船




   青葉潮夕日かがよふ島浮かす


   夏あかね月の砂漠と謂ふ浜辺



吟行2011,05,04


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