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芙美子旧居と染め工房(東京都新宿区)

深閑と芙美子旧居の年暮るる
染め工房 二葉苑
吟行会の本年最後は林芙美子が晩年を過ごした落合の屋敷と神田紺屋町からしだいに清流を求め、神田川と
妙正寺川の落ち合う、この地に移り住み江戸小紋や江戸更紗の産地として多くの工房があったようであるが、その
名残として新宿ミニ博物館となっている二葉苑を見学した。
西武新宿線中井駅を降りると、そこは昭和時代の近郊の商店街の面影を色濃く残し歳末の活気に満ちていた。
ここから3,4分の場所に染の里はあった。妙正寺川の流れには誰も取らぬ柿が熟れ、椋鳥が盛んに啄んでい
た。
駅を挟んで反対側に5,6分の場所に林芙美子記念館がある。当然放浪記が当たった後に建てられたもので
あるから、贅沢な造りは当然ではあるが、放浪記とのギャップは大きい。だが苦労した全般の生き様が報われた
ようにも思え、心の安らぐ建築物ではあった。
染職人若き女の白マスク
小紋着て歩いてみたき年の暮
木枯に裾翻る江戸更紗
柳枯る染め工房の格子塀
椋鳥突くたびに揺れたり柿の影
からつ風八百屋の裸灯揺さぶりぬ
林芙美子旧居
炬燵切る芙美子の居間の明るさよ
武者窓の黒き格子や冬紅葉
菊活くる芙美子の居間や冬温し
身罷りし芙美子の部屋や蘭の花
白壁に弱き冬の日梢かげ
寒禽や芙美子旧居の太き竹
万両の丈より低し道祖神
流暢な解説員や冬うらら
忘年の夜の渋谷の人の波