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初夏の明治神宮(東京都渋谷区)

神宮の池にとなめの銀やんま
12年伊吹嶺誌10月号遠峰集収載句
久しぶりに明治神宮の花菖蒲を吟行した。
見頃とあって、参詣客や団体バスで菖蒲田を巡る細い径はいっぱいであった。高年の毎日が日曜画伯も
多かった。それでも加藤家、井伊家下屋敷であったという人工の森は都心とは思えぬ静かなたたずまいで
我々を歓迎してくれた。
花菖蒲江戸紫の伊達小袖
大すつぽん池に顔出す光秀忌
塩辛を睥睨したり鬼やんま
緑陰や画架組む人の筆立てる
菖蒲田を管理する人が、腰に蚊遣りをぶら下げて、萎れ始めた花弁を摘んでいた。
予想とは違い、若い人が従事していた。胴長の脚はだいぶ深く、年寄りには脚も抜けないだろう。
菖蒲守脚抜く時に水濁る
12年伊吹嶺誌10月号遠峰集収載句
煙らする腰の蚊遣も菖蒲色
青嵐群るるとんばう乱しける
近頃ここの清正の井戸は心霊スポットのようになったようで、警備員が二人がかりで落ちないように
見張っている。ちょっと覗いて立ち去る人ばかりだったのに、若い人たちが全員シャッターを切って行く
ので、ロープを張っての入場制限だ。どんな効果があるのかはみんな知らぬようであった。
繁みには白い梅雨菌ばかりでなく赤い物まであり、これはこれでちょっと不気味ではあった。
羊齒青葉清正公の井に傾ぐ
神座の小暗き杜の梅雨菌
昼灯す茶室の窓や若葉風
この写真は樟であるが、参道には井伊家下屋敷の時代から続く樅の大木がある。それ以前からもあったようで、
代々続く木から、ここの地名代々木が生まれたそうである。森林全体は明治時代に全国から苗木を集めて
照葉樹中心の公害に強い木を植えたようで、当初365種、現在は246種が育っているそうだ。
代々木とは樅の大樹よ青葉風
参道の青葉若葉や日の斑濃し
大いなる神木の樟蔭涼し