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大宮八幡の七夕飾り(東京都杉並区)
梅雨晴間朱の冴え渡る大鳥居
大宮八幡の七夕
何年も前から杉並在住の句友から大宮八幡で少し変わった七夕祭りが行われるので見に来ないかと誘われていた。
角川源義の旧邸も近くにあり、最近公開されるようになったことで、ここも訪問、句会を開こうとなった。
大宮八幡は西永福から近い。渋谷から線路沿いに植えられた紫陽花を眺めつつ目的地に向かった。
この七夕は乞巧奠飾りと言われ、平安時代に宮中を中心に行われた行事で、日本古来の棚機つ女信仰(処女が機を織って
神を迎え、一夜を共にした。御魂祭、今のお盆の先事。)と奈良時代に中国から入った、牽牛、織姫の星祭りが重なった
もので、技芸の上達を祈る行事であったらしい。
短冊のルーツの梶(かじ)の葉に筆を走らせ、五色の紙垂で結界を作り、農作物と共に筆硯、雅楽器、糸などを供え
祈りを捧げた。
翌日は笹舟に罪や穢れ、災難などを託して流し、満月のお盆を迎える準備でもあった。これは現在夏越の祓となり、
六月末日に行われるところが多い。
撥疵に窪みし琵琶や秋暑し
梶の葉に女文字の願ひ文
権禰宜の真昼忙しき星祭
星映す盥の水に梶一葉
五色布の七夕に乞ふ願ひ事
羽抜鶏神のお庭に刻告ぐる
玉砂利の乾きし音や涼あらた
矢を放つ女の眉に秋兆す
小笠原流弓道場に蟻一匹
角川庭園 幻戯山房
幻戯山房は角川書店の創業者で俳人でもあった、角川源義氏の旧邸である。
遺族から寄贈を受けた杉並区が管理しており、荻窪駅から12,3分の住宅街にある。
今回は七夕祭りの大宮八幡を吟行後、ここをお借りして句会を開いた。
写真は右上の花芭蕉からが幻戯山房である。庭には芭蕉を始め、金柑の花や桔梗が咲いていた。萩はまだ若葉が風に
翻っていた。
源義氏を偲びつつ楽しませて頂いた。
弓の句は大宮八幡境内に弓道場があり、弓道の流派の事は知らないが、小笠原流弓道との看板に面白味を感じた。
ここから幻戯山房まではタクシーを利用した。まだナビにも電話は登録されていないので、住所をはっきりと運転者に
示す必要がある。
訪へる幻戯山房萩若葉
庵涼し源義遺愛の墨硯
かみなりに幻戯山房暇乞