横浜山手 春
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のどけしやベイブリッジの警告灯
石川町から港の見える丘公園へ
横浜は景色の良い街である。海があり半島の付け根はすぐに小高い山となっており、 平野の方に向けば遙かに富士山や大山が見える。
最近はベイブリッジやランドマークタワーなどの高層建築物も新しい横浜の景観としてしっかりと根付いたようである。
そんな景色の眺望が叶うのが横浜の山手といわれる住宅街である。
今回は特に住宅地を歩こうとJR山手駅を起点にイタリア山庭園、カトリック山手教会、山手聖公会教会、エリスマン邸を 通り山手の外国人墓地、港の見える丘公園を経て山手234番館にて句会を行った。
駅から5,6分にあるイタリア山庭園は、昔イタリア領事館が置かれていた場所で小高い見晴らしの良い所だ。
現在は洋風な庭園と世田谷から移築された、明治の外交官内田定槌の邸宅があり、国の重要文化財にも指定されている。
上の写真はその庭園から高層ビル街の景である。春は名のみの曇り空で、少々寒いくらいであったが西欧風の趣があった。
右の写真は外交官の家であり、調度類も当時を偲ばせるものが揃っている。今回は通過に止まったエリスマン邸もそうだが 邸内の家具調度は当時の住人の生活や雰囲気を大変良く伝えてくれる。
あたたかや古りし調度の木目艶
木の芽風日曜画家のカンバスに
パンジーの花それぞれに笑顔あり
上の左は庭園であり、生け垣に囲まれた花壇にパンジーや花キャベツなどが植えられていた。家の中から見下ろすと ステンドグラスがはめ込まれたように見え、異国情緒満点な庭だ。右は内部の一景である。明治時代の政府高官の生活 に思いを馳せた。
景観を損なわないように建てられた邸宅街を見ながら坂を上るとカトリック山手教会に出る。この日はちょうどパーム サンデーにあたり、棕櫚の葉を持った信者が大勢司祭の話を聞いていた。教会横のミモザが満開で鐘の音と共に行事を 祝福していた。
またこの辺りは文教地区でもあり、学校も多い。不思議と女学校ばかりだ。それがなんとも山手に合っている。
ミモザの黄女子学院のガラス窓
05年「伊吹嶺」伊吹集6月号収載
教会のチャイムに揺るるミモザかな
涅槃西風外人墓地は海に向く
句会を行う山手234番館を確認し、もう一つの有名な教会である山手聖公会教会を見て異人墓地から港の見える丘 公園に入った。
春靄のなかにベイブリッジを見て昼食のおにぎりを頬張ってあたりを見回すと、公園のあちこちに俄画伯が画架を 立てていた。イタリア山庭園にも沢山の絵描きさんがいたが、やっと高齢者が絵や俳句でゆとりを持つに到ったと言う ことだろう。
トップの写真は、港の見える丘公園からの景。望遠レンズを使用してしまったが、句の方が実景に近かったように 思う。右は異人墓地。この日は200円の喜捨をすれば中まで入れるとのことであった。
横浜山手周辺はまだまだ見るところが多いが、またの機会にゆずり山手234番館に向かった。
句会終了後、中華街で親睦を深めたことは言うまでもない。
春靄と紛ふ香煙関帝廟
(了)
最終吟行日2005,03,20
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