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丸の内界隈
駅ホテルのカーテンに透く冬灯
東京駅の駅舎(丸の内側)が戦前の姿に復調なって、そろそろ混雑も無くなったかと吟行を試みた。
ドームの天井など、それまではあまり気にも掛けなかったが素晴らしい彫刻が眺められる。煉瓦
も駅舎に良く合い主都の玄関として相応しいものに思えた。行幸通りは並木の銀杏黄葉が素晴らしい。
皇居前では皇宮騎馬警官が馬を駆っていた。お濠には鴨や?が沢山いたが、不思議と二重橋の辺りには
全然見当たらなかった。
祝田橋、から警視庁の威容を眺めつつ日比谷公園を散策。冬薔薇が見事であった。夜景は数日後に
同じ処を歩いたものである。
ドーム洩るる冬日の駅をハイヒール
被災地の牡蠣の駅弁手にぬくし
いてふ散る御幸通りや憂国忌
13年伊吹嶺誌2月号遠峰集収載句
寒空へ蹄鉄の音騎馬警官
鴨の陣二重橋には近寄らず
時雨るるや空に尖りて警視庁
シクラメン光を吸うて夜の花屋
電飾を纏ふ並木やブランド街
Gパンの娘が寒燈の老舗から
冬の噴水官庁街のビル白く
東京の真ただ中に黄落す
冬ばらやベンチに路上生活者