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川越の正月
蔵町の軒に明るき繭団子
松明の8日川越で句会を開くとのことで出かけた。
松明けとは言え、蔵町の蓮馨寺は初縁日とのことで蚤の市らしき賑わいをていし、蔵町通りなども
華やいだ雰囲気を出していた。
こちらも屠蘇気分もそれほど抜けず、県内に一カ所しかないという醤油の醸造所を見学させて頂き
正午の時の鐘を聞いたあと、老舗の蕎麦屋百丈で酒と笊蕎麦で腹を満たして本年初の句会を開いた。
川越の正月が写生出来たかどうか?若干の句を詠んだ。
注連飾り大き寺なり福禄寿
正月寺箍のはずれし桶飾る
蓮馨寺は呑龍さんで親しまれ、毎月8日がドンリュウデイとして縁日となり、屋台も出るのだそうだ。
また、おびんずるさんも階に置かれている。七福神巡りの福禄寿を祀る寺でもある。そんなわけで、
子育て、豊作願い、子宝、金運、健康とすべてに御利益があるお寺なのだ。
縁日の初市ぼろを奪ひ合ふ
重ね着て辻講釈師声張れり
このお寺さんの近くに醸造所があり、主に醤油を生産しているとのこと。醸造は雑菌の少ない寒に
仕込むのが良いとのことで寒造りが季語ともなっている。左の写真はその店構えだが、実際は右隣り
の鉄筋造りの工場に生産も店も移っていた。地酒も生産しており、大きな杉玉がぶら下がっていた。
杉玉に残りし青や松明くる
寒なれば木目艶めく醤油樽
川越のシンボルなので行く度にカメラを向けてしまうが本日は青い空の中にちょうど十二時の鐘が
鳴り渡り、自分にとっては良い一瞬であった。撞木は自動で動いていた。
午刻の鐘響きゆく寒の空
鐘渡る御空にでんと鬼瓦
自動車と若いアベックなどは多いのだが、さすがに人力車は閑を囲っていた。
天気は良いがやはり寒さはきつく感じる一日で、お年寄りの足はもう一つと言ったところのよう
であった。
居酒屋で昨年以上に多くの佳句をお互いに詠んで行こうと話し合い帰途に着いた。
アベックの麩菓子抱えて初詣
利き酒に目元潤ませ初吟行