谷千散歩
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春風やかつぱ出ますと注意札
25年伊吹嶺誌5月号遠峰集収載句
千駄木の旧安田楠雄邸で当家に残されていた雛を飾る上巳の節句があると言うことで、谷中、千駄木を歩くこととした。この辺は
いわゆる谷根千で旧い物や下町風情が楽しめるところが多い。
千駄木駅と旧安田邸の間には、須藤公園がある。大きな池があり、不思議なことに「かっぱに注意」と大きな看板がぶる下がっていた。
安田邸に伺う間も、今でも大きなお屋敷が多く、塀には大業な忍び返しなども見られた。
お雛様は人形自体の立派なことはもちろんだが、碁盤などの細々とした細工ものが見事に縮小されていて素晴らしい。
折紙で折った紙雛を売っており、買って帰った。
路地奥に忍返しの梅屋敷
25年5月号伊吹嶺誌遠峰集収載
昼灯す居間に二対の内裏雛
囀や灯籠歪む古玻璃戸
千駄木駅を谷中の方に行くと間もなく指人形笑吉さんの劇場と言うか制作工房がある。500円の見物料で見事な演技が見られる。
個々の指人形のパーソナリティーの表現が実に素晴らしい。政治家から有名人が網羅されて置かれていた。
ここから谷中の蛇道を通り、円朝のお墓を見て日暮里駅へと抜けた。
春一番谷中へび道迷ひ道
うららかや谷中の路地に指人形
円朝の眠る谷中や鐘おぼろ
25年5月号伊吹嶺誌遠峰集収載
円朝は無舌居士と記されている。喋るのが職業のそれも大名人に舌が無いとはユーモアの極致だ。
根津抜きの谷千散歩ではあったが、見るべき物が多く楽しめた。