舞岡ふるさと村
(横浜市戸塚区)
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黒揚羽鎌倉道の小暗がり
横浜市にはふるさと村が二つある。一つは寺家ふるさと村で我が家から歩いても30分くらいの場所で、このHPにもよく登場する。
二つの谷戸からなる水田地帯で、農村の姿をよく残している。横浜市の北部に位置している。
もう一つがこの舞岡ふるさと村で森を突き抜ける鎌倉古道を公園とし、横に古民家の金子家を移住して残し、田圃は狭いがここも昭和以前の
懐かしい景色を見ることができる。
数年前にはこの金子家で月見の宴に参加させてもらったが、今回は夏の畑山を歩いて見た。
左の写真はクサレダマの花。草連玉と書き、連玉という木の花に似て入るのでこの名がある。
里山の森騒がせて大南風
閉められし炭焼小屋や時鳥
田圃の一つは学校田であろうか。先生らしき若者と子供達が、どろんこで楽しそうに田草取りをしていた。指導のお年寄りは懸命に腰を屈めて
いたが、子供達との作業は楽しそうに見えた。合歓の木が夏の日に優しかった。
実習の田草取る子や泥の髭
先生も子らも泥んこ田草取
藁葺き屋根の母屋は広い土間がある。ここに大きな竈があり、常時火が焚かれている。防火用と朱書きの大きめのバケツが置いてある。
藁屋根を燻すためには、仕方ないのだが煙いしカメラはピントが甘くなってしまう。入口には笹竹も短冊を吊してあり七夕祭をここで開く
のかもしれない。この日は風が強く枯れた笹の葉がちぎれとんだ。
大きめの消火バケツや土間涼し
高き日に七夕笹の枯れ早し
離れに納戸というか農具小屋があった。老人が藁や笹で草鞋や草履を綯っていた。予想以上に手際よく作り上げてゆくのには驚いた。農閑期
には内職として定着していた技術なのであろう。売店がありそこで売っていた。此の後句会での高得点者の景品に一足求めたが、吾が手に
入ることは適わなかった。
土間涼し草鞋編む手の皺深く
画眉鳥の声の筒抜け夏座敷
古民家を出てまた鎌倉古道を歩いた。道の真ん中に綺麗なものが落ちている。拾ってみるときちんと畳まれた落し文だ。葉を筒状に丸めた
落し文は何度か目にしていたが、これほどまでにきちんと畳まれた落し文は初めて見た。持って帰るのも悪い気がしてまたその場に置いて
帰った。
鄭重に畳まれてをり落し文
白南風や日の斑零るる道祖神