板橋の地蔵盆と松永記念館
(神奈川県小田原市)
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射的屋に未練がましき浴衣の子
八月の23,24日に開かれるこの地蔵尊の大祭は、この日にお参りすると亡くなった身内にうり二つの人に会えると言われ、大変賑わう。私は
母の里が小田原であり、幼少の頃何度かお参りしていた。叔父に当たる母の兄が戦死していた為でもあったろう。今回は午前中でもあり、まだ
露店も出きっていない状態であったが、子供の頃の夜の参詣の混雑は今でも記憶に残っている。
秘仏が少し開けられた堂には寄進者の名が大声で読み上げられ、燭を点されてゆく。我々も樒とお線香を買ってお参りした。樒は裏手で廻し
売りされていたのにはびっくりしたが、資源破壊を考えればこれも良いのかもしれない。
香煙る裳階(もこし)の下を秋の蝶
地蔵会や献花の樒廻し売る
地蔵盆御簾の隙間に秘仏見し
官軍を合祀せし墓天高し
松永記念館
電力王と呼ばれた松永安左ヱ門は晩年をここに過ごし、耳庵と称して自然の趣を基調とした庭に幾つかの茶室を建て財界、文化人を集めて
茶会を催した。
墓はここに来る前に過ごした所沢の平林寺に置かれている。
ここを見た後は途中でタクシーを捕まえ、小田原城址公園を覗き、美味しい蕎麦を食べてから公民館で句会を開いた。
遠雷や耳庵の庭に下り龍
蓮池や鯉の大口閉づる音