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越後長岡          武藤宏樹

   
短歌研究      昭和十八年十月発行
          第十二卷 第十号 十月号  改造社
  長岡の街に來りて元帥の生家と墓所を時おかず見し

  元帥が育ちし家に虔(つつ)ましく
            その家族(うから)らか今に住みつぐ

  忠良院殿賢道義了居士河合繼之助の墓は蝉しぐれのなか

  大いなる時の流れに生き死にて名は賊軍ともはた官軍とも

臣の道          武藤宏樹

   
綜合詩歌      昭和十八年十二月発行
          第十一卷 第十号 十二月号  
  拾玉集つらつら讀めば日の本の末の亂れを嘆きたるうた

  末の代も吾が日の本は亡びざれ宜(うべ)や王法佛法相依

  臣の道かくこそあらめ輝ける正行の死と時宗の斷
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