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國語國字問題        武藤宏樹

東禰李古(とねりこ) 昭和十七年十一月発行
          第十八卷 第三号

  つつしみて國を思はばたは易く
            み國ことばは易(か)へらるべしや

  すめくにの遠つ祖先(みおや)が生命(いのち)こめて
               繼ぎ來し言葉かへらるべしや

  とほつ代の神の心にあり通ふことばをいまに改めむとは

  みたみわれとほつみをやゆ承け繼ぎて
              永(とは)に傳へむ命ぞこれは

  言靈と神より人につぎつぎてみくにのいのち守りきにける

  阿直岐(あちき)らの傳へし代より千年(ちとせ)ふる
               言葉はすでにわがくにのもの

  すめみたみ永遠より永遠に語りつぐ
            言葉を文字をいまに易(か)ふるや

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