写真は写真の上でクリックすれば大きくなります。
戻るボタンで元に戻ります。
お茶の水界隈



腰決めて乙女太鼓の梅祀る

湯島天神

 前項の湯島聖堂、神田明神はまだ正月気分も抜けやらぬ日であったが、そこから歩いても20分ほどのところに、湯島 天神がある。
 湯島聖堂と共に学問の神様として、東京では人気の名所だ。
 ご存じとは思うが、もう一つ、泉鏡花の「婦系図」でお蔦が早瀬に啖呵を切る場面として有名である。お蔦のモデルは 神楽坂の芸者「桃太郎」で後の鏡花夫人でもある。
 この日もTVの中継が来ており、ウイークディにもかかわらず、太鼓の実演を見ることができた。
 たった2人の出演者に大勢のクルーがついて、せりふの看板を持ったり、野次馬整理に苦労していた。ワイドショー の一場面だそうで、6,7分の映像に30分以上掛けていた。


   冴え返るワイドショー撮る舞台裏

   春疾風犇く絵馬を鳴らしけり
2008年俳誌「伊吹嶺」5月号伊吹集収載句
   たこ焼を返す目打ちや余寒なほ


 梅は例年よりも遅く、紅梅は見頃を迎えているものもあったが、全体的にはまだ蕾は固かった。
 もう、大学入試の発表が行われた学校もあり、感謝の絵馬も含め、鈴なりを通り越し、山津波が襲ってきそうなほどに 絵馬の掛け板は膨らんでいた。
 参詣人は観梅を含めて結構な人でとなっていたが、露天商はどこも寂しげで景気の悪さを見た思いがする。
 政治家はもう少し、街中に出て庶民の目で生活の実態を見て欲しい。道路よりも少なくとも今は、安全で安く安定した 衣食住を皆求めていると思った。
[了]
吟行2008,2,19
お茶の水界隈の頭へ
湯島天神の頭へ
新新「私の吟行地」目次へ
新「俳句とカメラで綴るムーさんの歳時記」へ
俳句とカメラで綴るムーさんの歳時記(トップ)へ